イギリスの物理学者。オックスフォードに生まれる。1962年オックスフォード大学数学部、物理学部を首席で卒業し、一般相対性理論を学ぶためケンブリッジ大学大学院の応用数学と理論物理学の研究生となる。この時代に難病の筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)にかかるが研究を続け、宇宙の始まりのビッグ・バンは、大きさがゼロで密度が無限大という「特異点」となってしまうことを証明、またブラック・ホールの研究では、そこに入ったものは何も抜け出せないとされていたが、熱が放射されていて、そのためブラック・ホールの蒸発もあることを発見した。1974年イギリス・ロイヤル・ソサイエティーの最年少会員、1979年ケンブリッジ大学のルーカス記念講座数学教授になった。1985年に肺炎を患い気管切開手術をしてからは話すことができなくなったが、ポータブルコンピュータと音声合成装置を使って講演や執筆活動を行っていた。著書に、世界的なベストセラーとなった一般読者向け宇宙論『ホーキング、宇宙を語る』A Brief History of Time(1988)のほか、『ホーキング、未来を語る』The Universe in a Nutshell(2001)、イギリスの理論物理学者ロジャー・ペンローズと行った宇宙論連続講義の記録『ホーキングとペンローズが語る時空の本質』The Nature of Space and Time(1996)などがある。
[編集部 2018年3月19日]
『ホーキング著、佐藤勝彦監訳『ホーキングの最新宇宙論――ブラックホールからベビーユニバースへ』(1990・日本放送出版協会)』▽『ホーキング著、佐藤勝彦監訳『時間順序保護仮説』(1991・NTT出版)』▽『ホーキング編、林一訳『「ホーキング、宇宙を語る」ガイドブック』(1992・早川書房)』▽『ホーキング著、佐藤勝彦監訳『宇宙における生命』(1993・NTT出版)』▽『ホーキング・佐藤勝彦・高柳雄一著『創造の種』(1995・NTT出版)』▽『ホーキング、ペンローズ著、林一訳『ホーキングとペンローズが語る時空の本質――ブラックホールから量子宇宙論へ』(1997・早川書房)』▽『佐藤勝彦訳『ホーキング、未来を語る』(2001・アーティストハウス)』▽『林一訳『ホーキング、宇宙を語る――ビッグバンからブラックホールまで』(ハヤカワ文庫)』
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