一敗地に塗れる(読み)いっぱいちにまみれる

精選版 日本国語大辞典 「一敗地に塗れる」の意味・読み・例文・類語

いっぱい【一敗】 地(ち)に塗(まみ)れる

再び立ち上がれないほどに、徹底的に打ち負かされる。
柳橋新誌(1874)〈成島柳北〉初「一敗地に塗みれ(〈注〉イチドニハタキ)、〈略〉、財竭きて名壊るる者を哀み」 〔史記‐高祖本紀〕

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デジタル大辞泉 「一敗地に塗れる」の意味・読み・例文・類語

一敗いっぱいまみ・れる

《「史記」高祖本紀から》二度と立ち上がれないほど大敗してしまう。
[類語]陥落落城敗走潰走帰服帰順屈従服従忍従負ける敗れる参る敗北する敗退する完敗する惨敗する大敗する惜敗するやられる土がつく屈するふくする屈服するくじけるひざを屈する降伏降参投降恐れ入るギブアップかぶとを脱ぐシャッポを脱ぐ一本取られる敗戦負け戦ひざをかがめる軍門にくだ

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故事成語を知る辞典 「一敗地に塗れる」の解説

一敗地に塗れる

再び立ち上がれないほどに、徹底的に打ち負かされること。

[使用例] この前は、鎌倉勢の命運をかけているという悲壮と気負いがあったが、今度は既に一敗地にまみれている平家に更に追討ちをかけるという気分的な余裕がある[永井路子炎環|1964]

[由来] 「史記―高祖紀」に出て来るセリフから。紀元前三世紀の終わりごろ、中国各地でしん王朝の圧政に対する反乱が起こりました。はいという土地に住んでいた人々も反乱を起こし、首領としてりゅうほうという人物をかつぎ出そうとします。ところが、彼は、能力のない自分が首領になると「一敗、地に塗れる(すぐに打ち負かされて、泥まみれになる)」ことになる、と言って引き受けようとしません。しかし、度重なる要請を受けたため、しかたなく反乱軍の首領となった劉邦は、後に天下を統一して、漢王朝を開くことになるのでした。

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