唐冠(読み)トウカムリ

デジタル大辞泉 「唐冠」の意味・読み・例文・類語

とう‐かむり〔タウ‐〕【唐冠】

近世かぶとの一。えい左右に2本突き出させたもの。とうかん。とうかんむり
唐冠貝」に同じ。

とう‐かんむり〔タウ‐〕【唐冠】

とうかむり(唐冠)

とう‐かん〔タウクワン〕【唐冠】

とうかむり

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精選版 日本国語大辞典 「唐冠」の意味・読み・例文・類語

とう‐かんむり タウ‥【唐冠】

〘名〙
後方前方より高く、纓(えい)が左右に張った古代中国の冠の形を取り入れたかぶりもの。能装束の冠としては、大きな巾子(こじ)と、左右に張り出した朴葉形の翼が特色。主に中国を舞台とする「皇帝」「咸陽宮」などの曲や、中国人に扮する「白楽天」のワキなどに用いられる。舞楽装束の冠としては、左右に大きく張り出した平纓(ひらえい)を特色とする。左方の「蘇莫者(そまくしゃ)」の太子、右方の「胡徳楽」の勧盃、「新靺鞨(しんまか)」などに用いられる。とうかむり。〔歌儛品目(1818‐22頃)〕

とう‐かん タウクヮン【唐冠】

〘名〙
② 特に、近世の兜(かぶと)の張懸鉢(はりかけばち)一種後頭部に巾子(こじ)を設け、纓(えい)を左右に張り出したもの。また、それをかたどったもの。とうかむり。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「古薩摩の唐冠(タウクヮン)香炉

とう‐かむり タウ‥【唐冠】

〘名〙 (「とうかぶり」とも)
※禅鳳伝書‐反古裏の書一(16C前)「又うゑにかぶり、龍などきて、後に面をきる也。たうかぶりは後にきてよし」
② =とうかん(唐冠)②〔武具訓蒙図彙(1684)〕

とう‐かぶり タウ‥【唐冠】

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改訂新版 世界大百科事典 「唐冠」の意味・わかりやすい解説

唐冠 (とうかんむり)

舞楽および能のかぶり物。後方が前方より高く,纓(えい)が左右に張った古代中国の冠を模したもの。巾子(こじ)(髷(まげ)の入る部分)が大きく,舞楽の唐冠は左右に大きく張り出した平纓(ひらえい)が特色で,能の唐冠は左右に張り出した朴葉型の翼が特色。舞楽では《新靺鞨(しんまか)》や《蘇莫者(そまくしや)》の太子,《胡徳楽(ことくらく)》の勧盃に用いる。能では中国人,荒神,鬼神などの役がかぶり,《皇帝》《咸陽宮(かんにようきゆう)》《鵜飼》《嵐山(あらしやま)》《賀茂》などのシテ,《東方朔》《張良》などのワキに用いる。歌舞伎や人形浄瑠璃でも《韓人漢文手管始(かんじんかんもんてくだのはじまり)》の幸才典蔵など高貴な中国人の役などに用いる。
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動植物名よみかた辞典 普及版 「唐冠」の解説

唐冠 (トウカムリ)

動物。トウカムリガイ科の巻き貝。トウカムリガイの別称

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