大浪池(読み)オオナミノイケ

デジタル大辞泉 「大浪池」の意味・読み・例文・類語

おおなみ‐の‐いけ〔おほなみ‐〕【大浪池】

鹿児島県北東部にある円形火口湖霧島きりしま火山群内にあり、山頂火口湖としてはわが国最大級のもの。面積0.4平方キロメートル、直径630メートル、水面高度1239メートル、最大深度11.6メートル。ハイキングのほか、冬季には国内最南端の天然スケートリンクとしてにぎわう。霧島錦江湾きんこうわん国立公園に属する。名の由来は、竜神化身の美しい娘「お浪」にまつわる伝説から。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大浪池」の意味・わかりやすい解説

大浪池
おおなみのいけ

鹿児島県北東部,霧島山西麓にある火口湖。「おおなみいけ」ともいう。霧島市に属する。標高 1412m,水面標高 1239m。火口は円形で,直径約 1km,湖水面も円形をなし直径約 630m,最大水深は約 12m。火口壁の上部は安山岩絶壁で,下部は岩屑により緩傾斜を示す。モミツガなどの針葉樹のほか,ヤシャブシミズナラなどが混生している。池に住むという竜の化身,お浪の伝説からこの名がつけられたという。一帯霧島錦江湾国立公園に含まれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「大浪池」の意味・わかりやすい解説

大浪池 (おおなみのいけ)

鹿児島県と宮崎県の境にある霧島火山群中の火口湖。鹿児島県に属する。面積0.4km2,水面標高1239m,水深11.6m。透明度はきわめて高く,池底まで澄んでいる。冬には結氷しスケートができる。周囲は風光に優れ,南麓には林田明礬(みようばん)など温泉も多く,各種の観光施設ができている。池の神の蛇がお浪という金持の娘として現れ,長じて再び池に戻ったという言い伝えから名が出ている。霧島屋久国立公園に属する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大浪池」の意味・わかりやすい解説

大浪池
おおなみのいけ

鹿児島・宮崎両県にまたがる霧島(きりしま)火山群内にある火口湖の一つ。鹿児島県霧島市にある。「おおなみいけ」ともよぶ。霧島火山には湛水(たんすい)している火口が9個あるが、山腹にある御池(みいけ)に次ぐ大きさで正円形に近く、面積0.4平方キロメートル。直径約700メートル、最大水深約12メートル、水面標高1239メートルで、山頂火口湖(ホマーテ)としては、日本最大規模。水温の季節変化は大きく、夏季は気温に近く、冬季には結氷する。清澄な山頂湖のため透明度は高く、底まで見える。付近一帯は霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)国立公園の中核をなし、登山、ハイキング、高原の散策、冬季のスケートなどが楽しめる。この池には竜神の化身の美しい娘「お浪」にまつわる伝説があり、お浪の池とよばれたという。林田温泉から大浪池登山口までバス10分、下車後徒歩40分。

[塚田公彦]


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世界大百科事典(旧版)内の大浪池の言及

【霧島山】より

…これらの楯状火山の山体上および周辺地域では,おもに更新世末以降現在に至るまでの期間に,多くの場所で噴火活動が起こり,安山岩質の比較的小規模な火山体や火口が多数形成された。韓国岳,大浪池(1411m),新燃(しんもえ)岳(1421m),中岳(1332m),御鉢(おはち)(約1400m),高千穂峰(1574m)などの霧島火山中央の山頂部を構成する山体,並びに飯盛山(846m),甑(こしき)岳(1301m),夷守(ひなもり)岳(1344m),大幡山(1353m)などの山体,さらに六観音御池(ろくかんのんみいけ),白紫(びやくし)池,不動池,大幡池,御池(みいけ)などの火口はこの時期に形成された。これらの火口や火山体は,生成時期が新しいため,いずれも山体の開析はあまり進んでいない。…

※「大浪池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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