デジタル大辞泉
「御家」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
お‐いえ ‥いへ【御家】
① 貴人、
大名などの家の敬称。主人・主君の家。主家。転じて、広く他人の家の敬称にも用いる。
※伊達家文書‐天正一八年(1590)一二月二六日・孝蔵主消息「うへさまは、〈略〉しせんしせん御心かわりも御入候へは、御いへのはて候はんする御事と、みなみな申され候御事にて候」
※浮世草子・西鶴織留(1694)四「一日もお家(イヘ)のはしに居ますからはお主(しう)同前」
② 家の中の床張りの部分。また、畳を敷いた部屋。また、もと主婦の居間をいい、転じて畳の敷いてある居間のこととも。
※
浄瑠璃・伊豆院宣源氏鏡(1741)二「又三蔵の
昼寐かとお家はき出し」
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四「そんなにおいへを見廻しても、雪陣が畳の上にあるものか」
※浮世草子・好色床談義(1689)三「兎角かたと色とお茶の味と三拍子そらふたら、呉服所のおいへになるまじきものにもあらず」
④ 芸能の家元。
※仮名草子・古活字版竹斎(1621‐23頃)上「うたひの太夫はどれどれぞ、おいゑのしぶや、こんぱるや」
※
評判記・役者評判蚰蜒(1674)玉本数馬「物ごしけしほど鼻へ入てなまり又おもしろしもとより御家の物なればいふはおろか」
※
戯財録(1801)狂言場行工合之事「
世話場は御家、時代とちがひ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の御家の言及
【百姓】より
…半隷属的小農は[名子],被官,家抱(けほう),隠居,門屋(かどや)など各地でさまざまの呼び方をされているが,これらはいまだ自立を達成しえない自立過程にある小農の姿である。これらの小農は親方,御家,公事屋,[役家]などと呼ばれる村落上層農民(初期本百姓)に隷属し,生産・生活の全般にわたって主家の支配と庇護を受けていた。彼らは主家から零細耕地を分与され,主家の許しを受けて刈敷場(かりしきば)から肥料を採取し,自分持ちの小農具(鍬(くわ),鎌(かま))で分与地を耕作し,そこで自己の再生産をまかない,一定日数の賦役労働を主家の農業経営に提供した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」