月山神社(読み)ガッサンジンジャ

デジタル大辞泉 「月山神社」の意味・読み・例文・類語

がっさん‐じんじゃ〔グワツサン‐〕【月山神社】

月山山頂にある神社。旧官幣大社。祭神は月読尊つきよみのみこと出羽三山神社の一。月山つきやま神社。

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精選版 日本国語大辞典 「月山神社」の意味・読み・例文・類語

がっさん‐じんじゃ グヮッサン‥【月山神社】

山形県東田川郡庄内町、月山の頂上にある神社。旧官幣大社。祭神は月読命(つきよみのみこと)。古くからの修験道場で、出羽(いでは)神社、湯殿山神社とともに、出羽三山神社ともいわれる。つきやまじんじゃ。

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日本歴史地名大系 「月山神社」の解説

月山神社
つきやまじんじや

[現在地名]大月町才角

才角さいつの川下流の平地の西のはずれ、大浦おおうらから西へ、ほお崎をめぐって西海岸を北上したところに鎮座する。祭神は月夜見尊・倉稲魂尊で、表筒男・中筒男・底筒男の三神と事代主尊を合祀。伝えによればもと守月山南照なんしよう寺といい、役小角が始めた神仏習合の修験道場とされ、四国霊場八十八ヵ所の番外札所であった。明治の神仏分離以後、月山神社を名乗って今日に至る。なお天正一八年(一五九〇)の佐井津野村地検帳に「月宮殿」「守月庵」がみえ、江戸時代の地誌には「月山守月庵」(土佐州郡志)、「月宮殿月山(南路志)などと記される。

享保七年(一七二二)南照寺の中興慶学法印が書写した月山略縁起(社蔵)によると、役小角が月山に入山して月影の霊石を発見し、月夜見尊・倉稲魂尊を奉斎したのに始まり、のち空海がこの霊石の前で二十三夜月待の密供を修したという。

月山神社
がつさんじんじや

[現在地名]八戸市松館 籠田

松館まつだて北方、松館川左岸の丘陵地の山麓に位置する。祭神は月夜見尊。雑書の承応二年(一六五三)四月二三日条に「八戸籠田月山ニて去廿日御神楽湯立」とみえ、寛文五年(一六六五)の無量院の御立願状(常泉院文書)には「一かこ田ノ月山江 兎之絵納事」とある。宝暦五年(一七五五)の堂林寺門間数改書上帳(同文書)には「籠田月山堂」とあり、慶長一〇年(一六〇五)の建立とされ、別当は登善院であった。伝承によれば応永一八年(一四一一)根城南部氏一〇代光経が秋田へ出陣した際、出羽月山の冥助を得て勝利した。

月山神社
がつさんじんじや

[現在地名]鹿角市十和田毛馬内 毛馬内沢

小坂こさか川下流域右岸、茂谷もや山北側を西へ延びる毛馬内沢けまないさわ深部に鎮座。祭神は月読命ほか六柱。旧県社。

寛政(一七八九―一八〇一)頃の「邦内郷村志」に「月山権現永福寺門徒、別当十一石二斗余 広増寺」とある。創建年代は不詳で、「鹿角縁記」には「けふの里の氏神にして月山大権現と称せしなり祭神月読尊大物忌(中略)むかし人皇五十代桓武天皇の御宇田村将軍東夷征伐の節、奥州に七つの月山を建立せしその一つなりといへり」と伝承を記す。

月山神社
がつさんじんじや

[現在地名]三戸町泉山 船場の上

泉山いずみやまの南端に位置する。祭神は月読命で、旧村社。名久井なくい岳の第二峰、標高約五三〇メートルの月山に奥院がある。雑書の寛永二一年(一六四四)九月二三日条に「三戸月山に先年御立願三ケ年之内二ケ年懸当一度ニ御済しニ付御代参十四人三戸ニて被仰付」とみえ、藩の祈願所とされていた。

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改訂新版 世界大百科事典 「月山神社」の意味・わかりやすい解説

月山神社 (がっさんじんじゃ)

〈つきやまじんじゃ〉ともいう。山形県東田川郡庄内町,月山上に鎮座。旧官幣大社。月読(つきよみ)命をまつる。月山はこの地第一の名山で,もとはそれ自体が神であった。古代には国家の崇敬が厚く,806年(大同1)神封2戸を献ぜられ,864年(貞観6)従三位となり,また大物忌(おおものいみ)神社とともに〈月山大物忌両神社〉として飽海郡にまつられ,876年正三位。元慶(がんぎよう)の乱には大物忌神と同じく神封2戸追加。乱後の880年(元慶4)従二位に昇り,《延喜式》では名神大社。月山は修験の名山であるが,高峻で山頂の宮は夏以外は参拝できない。羽黒山の出羽(でわ)神社湯殿山神社をも合わせた三神合祭殿がまつられ出羽三山神社と呼ばれており,日常の祭事はそこで行われる。例祭は7月15日。
出羽三山
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百科事典マイペディア 「月山神社」の意味・わかりやすい解説

月山神社【がっさんじんじゃ】

山形県東田川郡立川町(現・庄内町),月山山頂に鎮座。〈つきやまじんじゃ〉ともいう。旧官幣大社。月読(つくよみ)命をまつる。出羽・湯殿山神社とともに出羽三山神社の一つ。延喜式内の名神大社で,中世以来修験道の霊場として栄えた。冬季は登山困難のため出羽神社に合祀してある。例祭は7月15日。松例祭(1月31日)には山伏の冬峰行があり,先達の松聖(まつひじり)を中心に徹夜の修行が行われる。
→関連項目月山

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「月山神社」の意味・わかりやすい解説

月山神社
がっさんじんじゃ

山形県鶴岡市の月山山頂に鎮座する元官幣大社。つきやま神社ともいう。出羽三山神社 (→出羽三山 ) の一つ。祭神はツキヨミノミコト (月読尊) 。例祭7月 15日。

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デジタル大辞泉プラス 「月山神社」の解説

月山神社

山形県東田川郡庄内町にある神社。月山(がっさん)山頂に位置する。祭神は月読命(月読尊)(つきよみのみこと)。出羽三山神社のひとつで、東北地方唯一の旧官幣大社。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「月山神社」の意味・わかりやすい解説

月山神社
がっさんじんじゃ

出羽三山神社

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世界大百科事典(旧版)内の月山神社の言及

【月山】より

…こうした環境がミネハリイ,ヒナザクラ,イワイチョウなどの雪田植物群落や強風下の稜線にみられるコタヌキラン,ホソバエイランタイ,ミネズオウ,ヒナウスユキソウ,コメバツガザクラなどの高山植物群落を形成させ,日本海に浮かぶ佐渡島や鳥海山,朝日岳,蔵王山などの展望とともに優れた高山景観となっている。《日本三代実録》や《延喜式》には式内大社として従二位の月山神社が記載され,鎌倉時代に入ると修験道の中心地の一つとなって,東日本の各地から登山参拝の客を集めた。現在は鶴岡より北側の八合目,山形からは南側の姥沢までバスが通じている。…

【月山神社】より

…〈つきやまじんじゃ〉ともいう。山形県東田川郡立川町,月山上に鎮座。旧官幣大社。月読(つきよみ)命をまつる。月山はこの地第一の名山で,もとはそれ自体が神であった。古代には国家の崇敬が厚く,806年(大同1)神封2戸を献ぜられ,864年(貞観6)従三位となり,また大物忌(おおものいみ)神社とともに〈月山大物忌両神社〉として飽海郡にまつられ,876年正三位。元慶(がんぎよう)の乱には大物忌神と同じく神封2戸追加。…

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