笠ヶ岳(読み)カサガタケ

デジタル大辞泉 「笠ヶ岳」の意味・読み・例文・類語

かさ‐が‐たけ【笠ヶ岳】

岐阜県北東部、飛騨山脈にある山。標高2897メートル。山頂東側にはカール圏谷けんこく)や、小石が亀の甲の形にならぶ亀甲砂礫されきが見られる。中部山岳国立公園に属する。名の由来は、どこからでも山容が笠の形に見えることから。肩ヶ岳

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改訂新版 世界大百科事典 「笠ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

笠ヶ岳 (かさがたけ)

飛驒山脈(北アルプス)南西部,岐阜県北東部の高山市にある山。標高2897m。古くは肩ヶ岳,迦多賀岳と呼ばれた。山頂部はどこから望んでも笠形地形を呈し,三角点のある最高峰は大笠,その北側の小峰小笠と呼ばれる。山体は濃飛流紋岩と呼ばれる石英斑岩および凝灰岩層から成り,山頂東側には播隆平カールなどの氷河地形遺物が分布する。西側および北側斜面は自然のよく残された地域で,クマなども多く生息する。円空が元禄年間(1688-1704)に登ったとされるが,一般には1782年(天明2)南裔(なんえい)の開山とされ,また播隆も1823年(文政6)に登頂し,そこからの槍ヶ岳を望んで登頂の念願をおこし,後に槍ヶ岳開山を果たしたといわれる。北アルプスの幹線縦走路からははずれるが,山頂付近には山小屋があり,頂上へは槍見温泉から約7時間半で登ることができる。
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百科事典マイペディア 「笠ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

笠ヶ岳【かさがたけ】

岐阜県高山市にある,飛騨山脈の山。標高2898m。その名の通り山頂部が笠の形をしている。濃飛流紋岩と呼ばれる石英斑岩(せきえいはんがん)や凝灰岩(ぎょうかいがん)層から成り,山頂東側には播隆平カールなどの氷河遺跡が分布する。中部山岳国立公園に属し,日本百名山にも選ばれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「笠ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

笠ヶ岳
かさがたけ

岐阜県高山市の北東部、奥飛騨(ひだ)温泉郷地区にある山。槍ヶ岳(やりがたけ)、穂高岳の山々の西方にあたり、標高2898メートル。どこからでも端正な笠の形にみえるのが特色で、石英粗面岩からできている。古くは道泉和尚(おしょう)や円空上人(えんくうしょうにん)が登ったといわれ、文政(ぶんせい)年間(1818~1830)には播隆(ばんりゅう)上人が5回も登った。明治になって初めて登ったのはイギリス人宣教師W・ウェストンで、1894年(明治27)のこと。山頂へは新穂高温泉から約9時間。山頂の北側に笠ヶ岳山荘がある。

[上島正徳]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笠ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

笠ヶ岳
かさがたけ

岐阜県北東部,飛騨山脈にある山。高山市に属する。別称肩ヶ岳。標高 2898m。山名は笠形をした美しい山容による。天明年間 (1781~89) の頃から山岳信仰の対象となった。東側斜面は急傾斜でカール (圏谷) があり,山頂平坦面には亀甲砂礫の現象がある。地質は高原川上流,蒲田川流域の石英斑岩の上にかぶる石英粗面岩からなる。中部山岳国立公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「笠ヶ岳」の解説

笠ヶ岳

(岐阜県)
日本百名山」指定の観光名所。

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