高尾野(読み)たかおの

日本歴史地名大系 「高尾野」の解説

高尾野
たかおの

山門やまと院内の地名として中世から史料に散見し、近世高尾野郷に継承された。史料上では高少野薗(年月日未詳「山門院地頭所務和与状」比志島文書)・高小野名(年月日未詳「秀貞譲状案」山門文書、以下断りのない限り同文書)・高小野里(康永四年八月三日家貞証状)などともみえる。前掲山門地頭所務和与状によれば高少野薗は地頭の進止となし、半分については百姓を据え、在家役などを取るべきとされている。年月日未詳の某譲状案によれば山門院東方のうち「高小野里窪田七段」「高小野やしき」などが子の平彦六に譲られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高尾野」の意味・わかりやすい解説

高尾野
たかおの

鹿児島県北西部、出水郡(いずみぐん)にあった旧町名(高尾野町(ちょう))。現在は出水市の西部を占める。旧高尾野町は1932年(昭和7)町制施行。1959年江内(えうち)村と合併。2006年(平成18)出水市に合併。旧町域は八代海(やつしろかい)に臨み、背後は出水山地扇状地が発達している。肥薩(ひさつ)おれんじ鉄道、国道3号、504号が通じる。江内にあった木牟礼城(きのむれじょう)は、中世、薩摩(さつま)・大隅(おおすみ)・日向(ひゅうが)3州の守護職に任ぜられた島津忠久(ただひさ)の居城。近世、島津氏直轄の高尾野郷として柴引(しばひき)に麓(ふもと)(外城(とじょう))が置かれた。農業が中心で、米作、野菜・タバコ栽培のほか、畜産苗木の生産が盛んである。春に行われる中の市(いち)(ソバ市)は伝統ある市で、周辺市町村からの人出でにぎわう。荒崎一帯は特別天然記念物に指定されているツルの渡来地。ユーモラスな兵六踊(ひょうろくおどり)は県指定無形民俗文化財である。

[平岡昭利]

『『高尾野町郷土誌』(1967・高尾野町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高尾野」の意味・わかりやすい解説

高尾野
たかおの

鹿児島県北西部,出水市西部および北西部の旧町域。出水平野の中央にある。 1932年町制。 1959年江内村と合体。 2006年出水市,野田町と合体して出水市となった。 1963年国営出水干拓工事が完成して,大規模機械化農業を導入。米,タバコ,苗木,ミカンの栽培と畜産が盛ん。苗木は県下随一で,マツヒノキ,スギが中心。荒崎から出水干拓地にかけた地域は 10月~3月シベリアからのツルの渡来地 (国指定特別天然記念物) として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「高尾野」の意味・わかりやすい解説

高尾野 (たかおの)

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