アセトアニリド(読み)あせとあにりど(英語表記)acetanilide

翻訳|acetanilide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセトアニリド」の意味・わかりやすい解説

アセトアニリド
あせとあにりど
acetanilide

酢酸アニリンアミド。アセチルアニリン、N-フェニルアセトアミドともいう。アニリンに無水酢酸あるいは塩化アセチルを反応させて得られる。無色の板状結晶。冷水に約0.5%、熱水には約5%溶ける。アルコール、クロロホルムエーテルなどの有機溶媒にはかなり溶けるが、石油には溶けない。金属ナトリウムと反応してN-ナトリウム誘導体を生成し、強酸の作用により不安定な塩を生成する。染料など各種有機化合物の合成原料として重要である。また鎮痛、解熱作用があり、1886年にアンチフェブリンという商品名で解熱剤として初めて医薬に供されたが、劇薬であり強い副作用があるため現在では使用されていない。

山本 学]


アセトアニリド(データノート)
あせとあにりどでーたのーと

アセトアニリド
分子式C8H9NO
分子量135.17
融点115℃
沸点305℃
比重1.21(測定温度4℃)
溶解度0.53g/100ml(水6℃)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アセトアニリド」の意味・わかりやすい解説

アセトアニリド
acetanilide

アンチフェブリンともいう。化学式 C6H5NHCOCH3 。アニリンを酢酸,または無水酢酸と加熱して生成する。無色板状晶。融点 113~114℃。水に少量溶けるがエチルアルコールメチルアルコールには易溶である。クロロホルム,エーテルに可溶鎮痛剤,解熱剤として用いられる。

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