実在の事件を脚色した歌謡、小説、戯曲の登場人物名。1661年(寛文1)ごろ、姫路の旅宿但馬(たじま)屋の手代清十郎が主家の娘お夏と密通し、大坂へかけおちしたが捕らえられて処刑され、残されたお夏は乱心したという。この事件が俗謡「清十郎ぶし」をはじめ、俳諧(はいかい)、歌祭文(うたざいもん)、小説、浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)などの好題材となった。代表的なものは、小説で井原西鶴(さいかく)作『好色五人女』(1686)中の「姿姫路清十郎物語」、浄瑠璃で近松門左衛門の『おなつ清十郎笠物狂(かさものぐるい)』(1705)、『五十年忌歌念仏(うたねぶつ)』(1707)、近松半二、三好松洛(しょうらく)らの『極彩色娘扇(ごくさいしきむすめおうぎ)』(1760)など。明治以後では坪内逍遙(しょうよう)作の舞踊劇『お夏狂乱』が有名で、戯曲にも真山(まやま)青果作『お夏清十郎』をはじめ多くの作品がある。
[松井俊諭]
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…《極彩色娘扇》(1760年竹本座)は歌舞伎にも移されてよく行われた。本筋は男達(おとこだて)狂言で,お夏清十郎は脇筋にまわっている。ほかに作者不詳の人形浄瑠璃《寿連理の松》(1820年稲荷社内の芝居)が今日に残る。…
※「お夏清十郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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