(読み)カン

デジタル大辞泉 「幹」の意味・読み・例文・類語

かん【幹】[漢字項目]

[音]カン(呉)(漢) [訓]みき
学習漢字]5年
木のみき。「樹幹
物事中心となる部分。「幹線幹部基幹躯幹くかん語幹根幹
中心となって取りしきる。「幹事主幹
物事を取りしきる能力。「才幹
[名のり]えだ・から・き・くる・たかし・たる・つね・つよし・とし・とも・まさ・み・もと・もとき・よし・よみ・より
難読麻幹おがら

から【幹/柄】

草木のみき・茎。「粟―あわがら」「黍―きびがら
矢の。矢がら。
道具。〈和名抄

み‐き【幹】

《「身木」の意という》
植物の、木質化した茎。高木では主軸となり、枝を出す。
物事の中心となる部分。「来年度となる企画」
[類語]樹幹

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精選版 日本国語大辞典 「幹」の意味・読み・例文・類語

から【幹・柄】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 草木の幹や茎。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    2. 矢の篦(の)。矢がら。
      1. [初出の実例]「からはしら篦(の)に、山鳥の羽をあはせはぎに、こうの霜ぶりをまぜて」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
    3. 道具の柄(え)
      1. [初出の実例]「十余人して荷(も)つ可き鋤柄(すきガラ)を作りて持た使む〈興福寺本訓釈 柄 加良〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 柄のあるものを数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「三から位の臼は、わし一人で沢山でござります」(出典:歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)二幕)
  3. [ 3 ] 〘 造語要素 〙 柄のあるものという意を表わす。「から臼(うす)」「から楫(かじ)」「から秤(はかり)」「から鋤(すき)」など。

こ‐あし【幹】

  1. 〘 名詞 〙 みき。支柱。また、比喩的に根幹の意にも用いられたか。
    1. [初出の実例]「貞は㕝之幹(コアシ)也とは天が能く中正にしてあたるべき㕝に中(あ)て成就万物なり」(出典:足利本論語抄(16C)公冶長第五)
    2. 「エイユウワ クニノ コアシナリ」(出典:天草版金句集(1593))

幹の補助注記

「天草版金句集」は「三略」の「英雄者国之幹、庶民者国之本」を典拠とする例。


み‐き【幹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「身木」の意という )
  2. 植物の茎の一型。木質となって肥大した茎。高木の主軸をなす茎、または、それに類似のものをいう。
    1. [初出の実例]「身木は少ふときが相応(ふさわし)かれ、枝も面白かるべし」(出典:随筆・槐記‐享保一一年(1726)正月二八日)
  3. 物事の中心となる部分。幹部。

こわし【幹・翰】

  1. 〘 名詞 〙 「こあし(幹)」の変化した語。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「幹の心ぞ。こわしの心ぞ。家の柱の心ぞ」(出典:玉塵抄(1563)三九)

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普及版 字通 「幹」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(異体字)
14画

[字音] カン
[字訓] はしら・みき・ただす

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は干(かん)。正字はに作り、(かん)声。〔説文〕六上声とし、「牆をくときの木(たんぼく)なり」とあり、版築のとき、その版を支える両端の木の意とする。は金文の図象に、杠(さお)飾りのある旗竿に吹き流しを加えたものがあり、幹とは旗竿。そのような柱で、ものの根幹となるものをいう。

[訓義]
1. 旗ざお、はしら、おやばしら。
2. みき、くき、もと、えだ。
3. せぼね、わきばらのほね、すね。
4. ゆみ、弓体。
5. たえる、になう、つかさどる。
6. つよい、すぐれる、ただしい、ただす。
7. やすらか、たすける。
8. 干支、えと。
9. と通じ、しの竹、やがら。
10. と通じ、井げた。
11. 管と通じ、つかさどる。

[古辞書の訓]
名義抄〕幹 カラ・ハズ・コハシ 〔字鏡集〕幹 カラ・エダ・モト・ハシ・コブシ・コハシ・スガタ・ツトム・マサシ・カハカス

[声系]
〔説文〕に幹声として澣を収め、字はまた浣に作る。

[語系]
(幹)・干・・乾kanは同声。(幹)は干・の声義を承ける。

[熟語]
幹営・幹殻・幹官・幹器・幹局・幹劇・幹蠱・幹国・幹佐・幹済・幹才・幹材・幹策・幹枝・幹事・幹実・幹主・幹掌・幹正・幹旋・幹・幹当・幹任・幹能・幹部・幹辧・幹貌・幹勇・幹用・幹吏・幹理・幹略・幹練
[下接語]
基幹・機幹・旧幹・巨幹・強幹・喬幹・局幹・幹・形幹・古幹・孤幹・功幹・高幹・合幹・国幹・骨幹・根幹・才幹・材幹・矢幹・枝幹・肢幹・主幹・身幹・世幹・体幹・忠幹・直幹・貞幹・挺幹・幹・典幹・武幹・幹・本幹・勇幹・吏幹・理幹・老幹

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「幹」の意味・わかりやすい解説


みき

樹木において、地上からほぼまっすぐに立つ、太くてじょうぶな茎をいう。幹はその植物体の主軸をなすもので、多くの場合は、種子の幼芽がまっすぐに伸びたものであるが、地下茎からの分枝や根からの不定芽などに由来する場合もある。ヤシ類では側枝はすべて花序となり、花序は早晩脱落するので枝のない樹形ができるが、多くの場合は幹から枝が出て、広がりのある樹冠が形成される。高木は概して1本の幹をもつが、低木には地表面付近からあまり勢いに差がない茎を何本か立てて、幹とよぶべきものをもたないものも多い。

[福田泰二]

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「幹」の解説

みき【幹】

宮崎芋焼酎。酒名は、蔵元の娘の名・幹子にちなみ命名。タンクで5年熟成させた古酒。原料はさつま芋、米麹。アルコール度数39%。蔵元の「岩倉酒造場」は明治23年(1890)創業。所在地は西都市大字下三財。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【茎】より

…シダ植物と顕花植物(両者を合わせて維管束植物という)の体の部分のうち,葉や芽をつける軸状構造の器官である。樹木の幹は主茎が二次肥厚したものでその顕著な例は屋久杉やセコイアの巨木にみられるが,一方シダ植物の根茎のように地中にあって目立たないものもある。先端に花をつける花茎も茎の一種である。…

※「幹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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