クーロンの法則(読み)くーろんのほうそく(英語表記)Coulomb's law

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーロンの法則」の意味・わかりやすい解説

クーロンの法則
くーろんのほうそく
Coulomb's law

電荷と電荷との間に働く電気力の大きさ・向きに関する法則。1785年クーロンによってみいだされた。二つの点電荷の間に働く電気力は、それらを結ぶ線上に働き、その向きは同種の電荷間では反発力、異種の電荷間では引力となる。力の大きさは、電荷間の距離の2乗に反比例する。数式的には

と表される。この力をクーロン力とよぶ。この法則は、電荷と電荷とが直接に力を及ぼし合う遠隔作用論立場の表現になっている。電荷が力を受けるのは電荷の周囲電界電場)であるという近接作用論的な立場では、この法則は、電荷の周囲にどんな電界が発生するかという形に書き直される。それがガウス定理である。電界の中に一つの閉曲面をとったとき、その閉曲面を内側から外側へ貫く全電束数は、その閉曲面で囲まれる全電荷量に等しい。

[山口重雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーロンの法則」の意味・わかりやすい解説

クーロンの法則
クーロンのほうそく
Coulomb's law

電気力および磁気力に関する法則。 1785年 C.A.deクーロンによって見出された。電気量あるいは磁気量がそれぞれ点電荷または点磁荷に働く力は,電気量または磁気量の相乗積に比例し,その間の距離の2乗に反比例し,またその力の方向は点電荷同士あるいは点磁荷同士を結ぶ直線上にあるとする法則。真空中では,比例定数が電気で 1/4πε0 ,磁気で 1/4πμ0 である。ただし ε0 は真空の誘電率,μ0 は真空の透磁率である。

クーロンの法則
クーロンのほうそく

摩擦の法則」のページをご覧ください。

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