さぬき(市)(読み)さぬき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「さぬき(市)」の意味・わかりやすい解説

さぬき(市)
さぬき

香川県東部にある市。2002年(平成14)、津田大川志度(しど)、寒川(さんがわ)、長尾の5町が合併し市制施行。香川県では1955年(昭和30)に誕生した観音寺市以来、6番目の市である。JR高徳線、高松琴平(ことひら)電気鉄道志度線・長尾線、国道11号、377号が通じる。高松自動車道の津田東、津田寒川、志度の各インターチェンジがある。市の北部は瀬戸内海に面し、小さな岬・半島の岩浜と砂浜が交互に織りなした海岸線で、津田・志度の町並みが古くから形成され、港町として栄えてきた。中央部は西方の高松平野と連なった平野が広がり、大小の溜池(ためいけ)が見られる。南部は讃岐山地の山間部で、豊かな自然が残る。讃岐山地から北東へ向かって津田川が津田湾へ、鴨部(かべ)川が鴨庄湾へと流れており、さぬき市の大部分は、この2河川の流域にあたる。農業では稲作と野菜、果樹畜産を組み合わせた複合経営が営まれ、イチゴ、タマネギ、キャベツ、ブドウ、花卉(かき)などの栽培が盛ん。漁業はハマチ、タイ、カンパチ、カキなどの養殖が行われている。志度地区の臨海工業団地や長尾地区の農産加工工場団地があり、機械、ゴム製品、冷凍食品などの工場がある。四国八十八か所の第86番札所志度寺、第87番札所長尾寺、結願寺(けちがんじ)である第88番札所大窪寺(おおくぼじ)には巡拝者が集う。「おへんろ交流サロン」や 「へんろ資料展示室」もある。大窪寺はまた、結願寺としてだけでなく、女子にも登山が許された女人高野(にょにんこうや)としても信仰を集めている。「クアタラソさぬき津田」「ゆ~とぴあみろく」などの公共温泉がある。津田海岸は瀬戸内海国立公園の一部で、「日本の渚(なぎさ)百選」の一つ。3000本の松が立ち並ぶ津田の松原(琴林(きんりん)公園)があり、海水浴場としても知られる。長尾地区の県立亀鶴(きかく)公園はサクラの名所。国の重要文化財の旧恵利(えり)家住宅、細川家住宅、また、富田茶臼山(とみだちゃうすやま)古墳など史跡が多い。面積は158.63平方キロメートル、人口4万7003(2020)。

[編集部]

『『さぬき市誕生までの歩み』(2002・さぬき市)』


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