志度寺(読み)シドウジ

デジタル大辞泉 「志度寺」の意味・読み・例文・類語

しどうじ【志度寺/志渡寺】

浄瑠璃花上野誉石碑はなのうえのほまれのいしぶみ」の四段目の通称。田宮坊太郎の乳母お辻が、わが身を捧げて、坊太郎の敵討ち成就を金毘羅こんぴら権現に祈願する場面。歌舞伎では「しどでら」。

しど‐じ【志度寺】

香川県さぬき市にある真言宗の寺。山号補陀落山推古天皇33年(625)ころの開創と伝える。謡曲「海人」は当寺の縁起による。四国八十八箇所第86番札所。しどでら。

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精選版 日本国語大辞典 「志度寺」の意味・読み・例文・類語

しど‐じ【志度寺】

  1. 香川県さぬき市にある真言宗の寺。山号は補陀落山。持統天皇八年(六九四)藤原不比等の子、房前(ふささき)の創建、行基の開山と伝えられる。本尊は十一面観音。謡曲「海人(あま)」の説話で有名。四国八十八所の第八十六番札所。しどでら。

しど‐でら【志度寺】

  1. [ 一 ]しどじ(志度寺)
  2. [ 二 ] 浄瑠璃「花上野誉石碑(はなのうえのほまれのいしぶみ)」四段目の歌舞伎での通称。

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日本歴史地名大系 「志度寺」の解説

志度寺
しどじ

[現在地名]志度町志度

志度の東寄りの海浜にある。補陀落山清浄院と号し、真言宗善通寺派。本尊木造十一面観音、脇士不動明王・毘沙門天はともに国指定重要文化財。四国霊場八十八ヵ所の第八六番札所で、御詠歌は「いざさらば今宵はここに志度の寺祈りの声を耳にふれつつ」。寺域約一万坪で、東讃随一の大寺である。寛永国絵図には高松城下から当寺の門前に至り、さらに八七番札所長尾ながお(現長尾町)に通ずる志度街道が描かれている。街道沿いには宿屋などが軒を並べて門前町が形成された。

鎌倉末期の成立とみられる志度寺縁起(国指定重要文化財)によると、推古天皇三三年薗子尼(智法)志度浦に流れ着いた霊木で十一面観音像を作り、一間四面の精舎を建てて安置したのが草創と伝える。天武天皇一〇年(六八一)、藤原不比等は契りを交わした志度の海女が、子房前のために海中の竜神から玉を取返そうとして死んだので、海浜の小堂の傍らに海女を葬り、その菩提を弔うため墓に精舎を建立し、死度しど道場と名付けたという。この海女の玉取り伝説が謡曲「海女」の原話である。「御領分中寺々由来」は開基は持統天皇七年(六九三)で行基建立とするが、寺地や伽藍配置などから実際は九世紀頃の創建と考えられている。平安末期頃には山岳修験の霊場としての性格が強かったとみられ、「梁塵秘抄」巻二の霊験所歌に「四方の霊験所は(中略)土佐の室生門 讃岐の志度の道場とこそ聞け」と歌われており、都にも聞えた霊場であった。源平合戦の際、屋島で敗れた平家は当寺に退いた。「吾妻鏡」元暦二年(一一八五)二月二一日条は「平家籠于讃岐国志度道場、廷尉引八十騎兵、追到彼所」と記す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「志度寺」の意味・わかりやすい解説

志度寺
しどじ

香川県さぬき市志度にある真言(しんごん)宗御室(おむろ)派の寺。補陀落山(ふだらくさん)清浄院(しょうじょういん)と号する。本尊は十一面観音。四国八十八か所第86番札所。寺伝によると、創建は推古(すいこ)天皇(在位593~628)の時代に園子(智法尼)が刻ませた十一面観音(かんのん)像を安置する精舎(しょうじゃ)を建てたのに始まり、藤原不比等(ふひと)・房前(ふささき)らによって興隆されたという。天正(てんしょう)年間(1573~92)兵火により焼失したが、1604年(慶長9)以後、高松藩主生駒(いこま)氏の帰依(きえ)を受けて再興。また1667年(寛文7)同藩主松平頼重(よりしげ)が諸堂を造営し、近世には荘厳な景観を誇り、東讃岐(さぬき)の名刹(めいさつ)となった。本尊の木造十一面観音像・両脇侍(わきじ)立像のほか、絹本着色十一面観音像、志度寺縁起図絵6幅など国の重要文化財がある。縁起には藤原不比等と海女(あま)の伝説を伝え、謡曲『海士(あま)』の題材となった。境内には海女の供養塔、曲水式回遊庭園、枯山水庭園がある。7月16日の十六度市(いち)には本尊が開帳され、近郷の人でにぎわう。

[眞柴弘宗]


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改訂新版 世界大百科事典 「志度寺」の意味・わかりやすい解説

志度寺 (しどでら)

香川県さぬき市の旧志度町にある真言宗善通寺派の寺。山号補陀落山(ふだらくさん)。東讃最古の名刹で,四国八十八ヵ所第86番札所である。縁起類では持統天皇開基,行基の建立,藤原房前(ふささき)の中興とする。観音霊場として名高く,本尊十一面観音像(弘仁期,重要文化財)にまつわる創建伝承は謡曲《海士(あま)》により世に知られる。現在の本堂以下の諸堂はいずれも近世の建立,また寺宝のうち,とくに室町前期作成の豪華な志度寺縁起図絵6幅(重要文化財)が注目される。
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百科事典マイペディア 「志度寺」の意味・わかりやすい解説

志度寺【しどでら】

香川県さぬき市にある真言宗善通寺派の寺。四国八十八ヵ所の86番目の札所。推古天皇時代志度浦の智法尼が感得したという十一面観音が本尊(重要文化財)。藤原不比等が海女(あま)に面向不背の玉を採らせ,その子房前(ふささき)が海女の追善のために本寺を建立したと伝える。戦国末期に兵火にかかり,江戸中期に再興。本堂・仁王門などは重要文化財。
→関連項目志度[町]大織冠

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デジタル大辞泉プラス 「志度寺」の解説

志度寺(しどじ)

香川県さぬき市にある寺院。真言宗。山号は補陀洛山(ふだらくさん)。推古天皇の時代の開創と伝わる。四国八十八ヶ所霊場第86番札所。本尊の十一面千手観世音菩薩、本堂、仁王門は国の重要文化財に指定。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「志度寺」の解説

志度寺
(通称)
しどでら

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
辻帷利生志度梵
初演
元治1.4(江戸・中村座)

志度寺
しどでら

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
文政1.5(名古屋・橘町芝居)

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