しとしと(読み)シトシト

デジタル大辞泉 「しとしと」の意味・読み・例文・類語

しと‐しと

[副]
雨が静かに降るさま。「春雨しとしと(と)降る」
物事をもの静かにするさま。しとやかなさま。しずしず。
「娘の母親が、―とあがって来た」〈里見弴多情仏心
[形動]湿っているさま。また、濡れているさま。
「露に―に濡れて」〈左千夫野菊の墓
[類語]1しょぼしょぼぽつぽつぱらぱらばらばらざあざあどうどうがばがばごぼごぼじゃあじゃあざぶざぶどくどくだらだら淙淙そうそう渾渾こんこん滔滔とうとうじくじくじめじめじとじとじっとり湿っぽいしっとりしっぽりしとど

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精選版 日本国語大辞典 「しとしと」の意味・読み・例文・類語

しと‐しと

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
    1. 静かにゆっくりと物事を行なうさま、また、静かに歩くさまを表わす語。しずしず。
      1. [初出の実例]「千句などに成りぬれば、発句より、長高くきずもなき連歌のまことしきを、しとしととし侍る事なり」(出典:筑波問答(1357‐72頃))
    2. 雨などがしめやかに降るさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「にわかにふる雨はきぶうふるぞ、しとしととはないぞ」(出典:玉塵抄(1563)一)
    3. ひどく湿っているさま、また、濡れているさまを表わす語。じとじと。
      1. [初出の実例]「キモノガ shitoshito(シトシト) ヌレタ」(出典:改正増補和英語林集成(1886))
    4. ゆっくりと強く打つさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「扇してしとしとと打ち奉らせ給ふを」(出典:栄花物語(1028‐92頃)ゆふしで)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ひどく濡れているさま。
    1. [初出の実例]「露にしとしとに濡れて」(出典:野菊の墓(1906)〈伊藤左千夫〉)

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