ダウンズ(その他表記)Downs

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダウンズ」の意味・わかりやすい解説

ダウンズ
Downs

イギリスイングランド南部の草に覆われた円頂の丘陵をさす。「丘陵」を意味する古英語の dūnに由来する。典型的なダウンズは白亜からなるが,南西部のサマセット県デボン県などではほかの岩石からなる丘陵に対してもこの名称が用いられる。白亜の丘陵地帯はウィルトシャーソールズベリー平野を中心に,旧バークシャー県にあたる地域からハンプシャー県にわたって広がり,ここから北東チルターン丘陵,東へノースダウンズ丘陵,東南東へサウスダウンズ丘陵の 3支脈が延びている。かつては森林に覆われていたと考えられるが,土壌が白亜質で夏季乾燥するうえ,古くからの森林伐採,12世紀以降のウサギの飼育とヒツジ放牧,近代に入ってからの耕地化などにより,森林は大部分消失し,樹木のないなだらかな丘が独特の景観を示す。しかし一部には下部斜面にブナなどの森林がみられ,チルターン丘陵などでは家具製造が盛ん。先史時代から人が住んでいた地域で,ウィルトシャーのエーブベリー遺跡巨石記念物や,ソールズベリー北方ストーンヘンジをはじめとする遺跡が多いことでも知られる。

ダウンズ
Downs, Anthony

[生]1930.11.21. イリノイ,エバンストン
アメリカの行政学,政治学者。ブルッキングス研究所研究員などを歴任。経済理論をモデルにして政治家官僚行動を分析した。主著民主主義の経済理論』 An Economic Theory of Democracy (1957) ,『官僚制解剖』 Inside Bureaucracy (67) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダウンズ」の意味・わかりやすい解説

ダウンズ
だうんず
Downs

イギリス、イングランド南部、西のハンプシャー県から東のドーバー海峡にかけて続く白亜紀のチョーク質の丘陵。サウス・ダウンズは海岸沿いを東西に延びるケスタ性の丘陵で、南に緩く傾き、北に急斜面をもつ。短毛の肉用ヒツジ、サウスダウン種の原産地。ノース・ダウンズは、ロンドン南方を東西に延び、北方へ緩斜しつつロンドン盆地へ向かって下り、南に急斜面をもち、東方ドーバー白い崖(がけ)で終わっている。両丘陵とも牧羊地となっており、両丘陵間の地域はウィールドThe Wealdとよばれる農業地帯となっている。

[小池一之]

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百科事典マイペディア 「ダウンズ」の意味・わかりやすい解説

ダウンズ

英国,イングランドの南西端,ロンドン盆地南部を2列をなして東西に走る白亜紀の低い丘陵。北部はノース・ダウンズ,南部はイギリス海峡に面しサウス・ダウンズと呼ばれ,両丘陵の間の森林地帯はウィールドと呼ばれる。牧羊・牧牛が盛ん。

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