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行政学 ぎょうせいがく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

行政学
ぎょうせいがく

公権力を背景として広く社会的価値 (資源) の配分にあたる行政過程の構造と機能を分析する学問分野。今日一般に行政学と称せられている理論系は,多かれ少なかれ,おもにアメリカ合衆国において 19世紀末葉から急速に発達した行政理論の影響下に形成されたものである。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょうせい‐がく〔ギヤウセイ‐〕【行政学】

行政を研究対象とする社会科学の一分野。行政の実態を調査・分析して、その一般的な法則、合理的かつ効率的な運営、現行制度改善の方策などを研究する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょうせいがく【行政学 science of public administration】

行政学には広狭二様の意味がある。広義には,政府の行政に関する種々の研究の総称である。この広義の行政学の淵源をもとめるなら,それは17世紀中葉以来神聖ドイツローマ帝国内の各地で発達した官房学である。官房学は,のちの財政学,行政学,行政法学,経済政策学等の母胎であった。だが,官房学は絶対王政時代の君主を補佐する官僚の学問であって,統治ないし支配の概念が立法・司法・行政に分化する以前の学,あるいは統治ないし支配の概念が政治ないし憲政と行政の両概念に分化する以前の学であるから,これをもって現代的な行政学の淵源と呼ぶことは適切でない。

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大辞林 第三版の解説

ぎょうせいがく【行政学】

行政を研究の対象とする社会科学の一分野。行政の一般法則、機能の分析、政治との関係性、合理的・効率的な組織や運営方法、現行制度改善の方策などの探究を行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

行政学
ぎょうせいがく
public administration英語
science administrativeフランス語
Verwaltungslehreドイツ語

行政学は行政現象を対象とする現実的社会科学であるが、その対象とする行政をどう理解するかによって、その学問の内包と外延は相当程度の変差を示す。このことは、行政を「統治過程における階統制組織(=官僚制)の集団作業である」とする定義(西尾勝)と、「本来的および擬制的公共事務の管理および実施」とする定義(手島孝(たかし))を比較してみれば明らかであろう。それはともかく、行政現象についての法規範的解釈学ないし規範科学としての行政法学と区別された行政学の歴史的起源を16世紀後半から18世紀末までのドイツ・オーストリアに発達した官房学に求める見解もあるが、それは絶対君主のための統治術を研究することを目的としたもので、今日の行政理論とは異質の政策学であった。ただ、この官房学と19世紀中葉以降のドイツ公法学の過渡期にたつといわれるローレンツ・フォン・シュタインの行政学は、近代市民社会が内包する矛盾についての深い理解(政治的運動と社会的運動の区別と関連の洞察)およびそれと結び付いた近代国家の憲政と行政の二方向的優越関係の定式化において、現代行政学の先駆として位置づけられている。[田口富久治]

アメリカ行政学の歴史と現状

大陸型の行政法学と区別された新興科学としての現代行政学は、20世紀への転換点以降のアメリカ合衆国において発生し、確立し、発展した。その歴史は通説的には、W・ウィルソンの『行政の研究』(1887)、F・グッドノーの『政治と行政』(1900)によって定礎された。それは科学的管理法の影響などを受けて、行政を一つの技術的過程としてとらえ「能率と節約」の原理を重視する技術的行政学ないし管理論的行政学を確立した。この学派の最初のテキスト・ブックはL・D・ホワイトの『行政研究入門』(1926)とW・F・ウイロビーの『行政原理』(1927)である。その最盛期はL・ギューリックらの『管理論集』(1937)とブラウンロー委員会報告書(1937)の刊行および後者の勧告による大統領府の設立(1939)に求められる。そして1940年代に入って、このような管理論的行政学を批判し、政治と行政の融合面・連続性に注目し行政の社会的機能の重要性を強調する機能論的行政学の台頭がみられた。管理論的行政学のたてた諸原理を単なる諺(ことわざ)であると批判し、行政=管理行動を一連の意思決定過程としてとらえ、それに社会心理学的接近を試みるハーバート・サイモン(主著『管理行動』1945)の学派が形成された。アメリカの行政学はこのような管理論的行政学派と機能論的行政学派の対抗=分裂として描かれてきた。
 しかし近年では、このようなアメリカ行政学史の理解には批判が生じている。それによれば、アメリカ行政学の系譜には、「政治・行政分断論」から「行政管理論」「政治・行政融合論」へと展開してゆく行政理論の系統と、「科学的管理法」から「古典的組織理論」「新古典的組織理論」(=人間関係学派)、そして「現代組織理論」(H・サイモン)へという組織理論の系統とがあり、両者は当初別個に誕生しながら、「古典的組織理論」「新古典的組織理論」と「行政管理論」の時代には密接不可分のものとして結合し、現在はふたたび相互に分離しているという見方が示される。このような見方にたてば、今日の行政学の課題は、第一の系統の行政官僚制を取り巻く環境条件に関する行政理論と、第二の系統である開放系の組織観にたち、組織内現象への権力概念の導入を試みている現代組織理論(行政官僚制の構造的・機能的特質究明のためのこのような組織理論の適用)との有機的結合を図ることに求められるであろう。ともあれ、現実のアメリカ行政学においては、組織理論の系統からの組織ヒューマニズム論、政治=行政理論の系統からの新行政学派the new public administration、行政への経済学的、なかんずくミクロ経済学的接近を試みる新政治経済学派、それ自体にさまざまなアプローチを含む公共政策分析などの多様な潮流が輩出しており、そのためかえって行政学の同一性の危機が論じられている。[田口富久治]

日本の行政学

1882年(明治15)から明治憲法の制定前後まで東京大学の政治学科に「行政学」の科目が置かれ、K・ラードゲンが担当したが、その内容は官房学の焼き直しにすぎなかった。その後ドイツ公法学の影響を受けた行政法学の全盛時代が続くが、1921年(大正10)に東京・京都の両帝国大学に行政学講座が設置され、蝋山政道(ろうやままさみち)と田村徳治がそれぞれ初代の担当者となった。両者の学風は、前者が経験主義的・管理論的であるのに対し、後者は理想主義的色彩の濃いものであった。
 他方、1921年「東京市政調査会」が設立され、同年と翌年のC・A・ビアードの来日と相まって、日本の都市行政学の発展に寄与した。第二次世界大戦後、1950年(昭和25)には「日本行政学会」が設立され、2009年現在670余の個人会員を有する。なお戦後日本の行政学の到達水準は、編集代表辻清明『行政学講座』(1976)および西尾勝・村松岐夫編『講座行政学』(1994~95)に結実している。[田口富久治]
『手島孝著『アメリカ行政学』(1964・日本評論社) ▽辻清明著『行政学概論 上巻』(1966・東京大学出版会) ▽編集代表辻清明『行政学講座1 行政の理論』(1976・東京大学出版会) ▽村松岐夫著『行政学講義』新版(1985・青林書院) ▽西尾勝著『行政学の基礎概念』(1990・東京大学出版会) ▽西尾勝著『行政学』(1993・有斐閣) ▽西尾勝・村松岐夫編『講座行政学』全6巻(1994~95・有斐閣) ▽今村都南雄著『行政学の基礎理論』(1997・三嶺書房) ▽森田朗編著『行政学の基礎』(1998・岩波書店) ▽村松岐夫著『行政学教科書』第2版(2001・有斐閣)』

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世界大百科事典内の行政学の言及

【社会科学】より

…心理学も自然科学と社会科学にまたがる広大な学問で,前者に属する部門のほうが後者に属する部門よりもずっと大きく,そして後者は社会心理学になるからこれを社会学に含めて考えることができる。経営学,行政学,教育学などは,それぞれ企業,官庁,教育組織という特定領域の問題を専攻する領域学で,学問分野としては経済学や政治学や社会学や心理学に還元される(経営経済学,経営社会学,経営心理学等々)。宗教学や言語学や芸術学などは,社会学,心理学に還元される部分(宗教社会学,宗教心理学等々)以外は,人文学に属するものと考えておきたい。…

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