ドミチウス・アヘノバルブス(その他表記)Domitius Ahenobarbus, Lucius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ドミチウス・アヘノバルブス
Domitius Ahenobarbus, Lucius

[生]?
[没]25
古代ローマの政治家。プレプス (平民) の有力氏族 (ゲンス ) の出身。 G.ドミチウス・アヘノバルブスの子。前 16年執政官 (→コンスル ) 。アントニウスオクタウィア (アウグスツスの姉) の娘アントニアの夫。傲慢,残忍で戦車競走を好んだといわれる。前 22年按察官 (アエディリス ) ,前 12年アフリカのプロコンスル。前7~2年イリュリアからドナウ方面へ転戦,エルベ河岸にアウグスツスの祭壇を築いた。またラインとエムス両川の間の湿地に土手道を築いた。その息子グナエウスはアグリッピナ (小)と結婚,その間の子がのちの皇帝ネロである。

ドミチウス・アヘノバルブス
Domitius Ahenobarbus, Gnaeus

[生]?
[没]前31
古代ローマの政治家。プレプス (平民) の有力氏族 (ゲンス ) の出身。 L.ドミチウス・アヘノバルブスの子。父とともにコルフィニウムで敗れたがカエサルに許された。カエサル死後,前 44年 M.ブルーツスに伴われマケドニアにおもむく。アドリア海によって第2次三頭政治に対抗したが,のち M.アントニウスを支持。前 40~35年ビチュニアを統治クレオパトラ7世とアントニウスとの提携に反対,アクチウムの海戦の寸前,オクタウィアヌス (アウグスツス ) のもとに逃れたがまもなく病死

ドミチウス・アヘノバルブス
Domitius Ahenobarbus, Gnaeus

[生]?
[没]前92以後
古代ローマの政治家。プレプス (平民) の有力氏族 (ゲンス ) の出身。 G.ドミチウス・アヘノバルブスの子。ナルボの植民市建設に参加。前 104年護民官 (トリブヌス・プレビス ) ,次いで大神官,執政官 (コンスル,前 96) ,戸口総監 (ケンソル,前 92) を歴任。同僚戸口総監の L.クラッススと対立した。

ドミチウス・アヘノバルブス
Domitius Ahenobarbus, Lucius

[生]?
[没]前48
古代ローマの政治家。プレプス (平民) の有力氏族 (ゲンス ) の出身。前 54年執政官 (→コンスル ) 。内乱期にあって第1次三頭政治に激しく反対,元老院の命でガリア進撃,ユリウス・カエサルと対立しポンペイウス (大ポンペイウス) 側についたが,コルフィニウムで敗れ (前 49) ,のちファルサロスで降伏した。

ドミチウス・アヘノバルブス
Domitius Ahenobarbus,Gnaeus

[生]?
[没]前104
古代ローマの軍人,政治家。プレプス (平民) の有力氏族 (ゲンス ) の出身。前 121年ガリア・キサルピナのプロコンスルとしてガリア諸族を破り,アルベルニ人の王を捕えて凱旋した。イタリア,ローヌ川地方 (南フランス) およびスペインを結ぶ道路の建設に着手し,その道をドミチア道と名づけ,ナルボに守備隊をおいた。

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