ハイカラ(その他表記)high collar

デジタル大辞泉 「ハイカラ」の意味・読み・例文・類語

ハイ‐カラ(high collar)

[名・形動]
ハイカラー」に同じ。
「―で頤を突上げる苦しさを辛抱がまんして」〈魯庵社会百面相
《明治31、32年ごろの議会で、1を着用していた洋行帰りの議員たちを、「万朝報」がハイカラー党とからかって書き立てたところから》西洋風を気どること。流行を追ったり、目新しいものを好んだりすること。また、そういう人や、そのさま。「ハイカラ着物の柄」「ハイカラ趣味」「ハイカラさん」
西洋風に結った髪。ハイカラ髪。日本髪に対していう。
「たっぷりある髪を、無造作らしくひっつめの―に結んでいたが」〈里見弴・大道無門〉
[類語]華やかきらびやか絢爛華麗華美豪華豪勢豪儀豪奢はではでやか華華しい美美しい輝かしい眩しい麗麗しい華やぐゴージャスデラックス

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精選版 日本国語大辞典 「ハイカラ」の意味・読み・例文・類語

ハイ‐カラ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] high collar )[ 異表記 ] ハイカラー
  2. たけの高いえり。
    1. [初出の実例]「フロックコートに円筒帽(シリドル)を戴って高襟(ハイカラ)を着け」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵猟官)
  3. ( 形動 )( 洋行帰りの人々がを着用していたところから ) 物事が、西洋風で目新しいこと。また、そうした欧米風や都会風を気取ったり、追求したりするさま。また、その人。
    1. [初出の実例]「進歩党でも抜からず望月小太郎、蔵原惟廓などと云ふハイ、カラア党を迎へて」(出典:毎日新聞‐明治三三年(1900)六月二一日)
    2. 「ああハイカラになっちゃ駄目だ」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉一月一日)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイカラ」の意味・わかりやすい解説

ハイカラ

しゃれた,きざな,最新流行の,気のきいたなどの意で,1900年頃,帰朝したばかりの竹越与三郎望月小太郎松本君平の3人が,当時欧米で流行のハイカラーをつけているのを『万朝報』の記者石川半山が「高襟党」と記したことに由来。当時の女性髪型の一つであるひさし髪をハイカラ髪といい,その髪型の人をハイカラさんと呼んだ。吹けば飛ぶような軽薄さという連想から「灰殻」ともじって書かれるようにもなった。

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世界大百科事典(旧版)内のハイカラの言及

【洋服】より

…しかし,極端な欧化は批判され,天下りによる流行はまもなく終りを告げた。日露戦争後の資本主義成熟期に再び洋風化が進み,流行の高衿(ハイ・カラー)から洋風をハイカラと呼ぶようになった。ハイカラなフロックコート背広は上流社会のエリート服であり,裾広がりのゴアード・スカートから,アール・ヌーボーのS形スタイルへとパリの流行を追う蜂腰長裾ドレスは,貴族・ブルジョア婦人の社交服であった。…

※「ハイカラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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