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はしか(麻疹) はしかましん Measles

翻訳|Measles

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家庭医学館の解説

はしかましん【はしか(麻疹) Measles】

◎生後7か月以後、注意する
[どんな病気か]
 麻疹ウイルスが感染し、発熱、せき、目の充血、全身の発疹などがおこる病気です。
 子どもならだれでもかかる軽い病気と考えがちですが、体力を消耗する重い病気で、肺炎を併発して生命にかかわることもあります。
●かかりやすい年齢
 生後3か月までの赤ちゃんは、母親からもらった免疫体(めんえきたい)があるので、はしかにはかかりません。その後、免疫体は徐々に減少しますが、生後6か月まではかかる可能性は少なく、かかっても軽症です。生後7か月をすぎると感染しやすい状態になります。
 したがって、幼児期にかかりやすいのですが、予防接種が普及して、はしかになる子どもがすくなくなったため、幼児期にかからずに、おとなになってからはしかになる人もいます。
●流行する季節
 冬から秋にかけて多発し、都会では1年おきに、地方では3~4年おきに流行します。
コプリック斑(はん)が特徴
[症状]
 感染した麻疹ウイルスが体内で増殖し、発病するまでに約11日かかります(潜伏期)。
 発病は、発熱(38℃前後)やせきではじまり、かぜかと思っていると、目が充血し、目やにも出て、乳幼児は、下痢(げり)や嘔吐(おうと)がおこることがあります。
 発病後2~3日して口の中をみると、頬(ほお)の内側に白い小水疱(しょうすいほう)が数個~数十個みえます。これをコプリック斑といい、はしかだけにみられる特徴的な症状です。
 以上がはしかの初期症状で、簡単にいうと、かぜのような症状が2~3日続いた後、熱が37℃台に下がりますが、1日ぐらいで再び上昇し始め、皮膚に発疹が現われて、本格的なはしかの症状が始まります。
●発疹期
 発病後4日目ごろから顔や胸に発疹が現われ、腹・腕から太ももへと広がります。
 発疹は桃色で、初めはノミにさされた程度のものが散在しますが、時間がたつにつれて増え、隣り合った発疹がくっつき合い、大小不規則な形になります。
 熱も日ごとに上昇し、発病後6日目ごろには、39℃前後になります。この発疹期は3~5日間で、高熱や発疹のほか、せきや目の充血もひどくなり、病人は衰弱します。ふつうは、発病7日目ごろが病気のピークで、以後は、急速に回復にむかいます。しかし、この時期には、合併症を併発して重症になったり、異常な経過を示す子どももいます。
●回復期
 ふつうの経過をたどると、発病後8日目ごろから熱が下がって元気になり、食欲も出ます。発疹も出た順に色が薄くなり、こまかいふけのように皮膚がむけてきます。あとには褐色のしみが残りますが、これもやがて消えます。
●合併症と異常経過
 はしかの合併症で多いのは肺炎(はいえん)で、ときに生命にかかわることもあります。まれに、麻疹脳炎(ましんのうえん)がおこることもあります。
 発病後8日目をすぎても解熱(げねつ)の傾向がみられなかったり、解熱後に再発熱がみられたりしたときは、合併症が疑われます。
 また、虚弱児がはしかにかかると、はしかそのものが重い経過をたどり、発疹期に意識消失、けいれん、心衰弱(しんすいじゃく)などの中毒症状が現われ、発疹が急に薄れて死亡することもあります。これをはしかの内攻(ないこう)といいますが、まれなことです。
 もう1つ、はしかにかかると結核(けっかく)にかかりやすくなります。ツベルクリン反応が陽転して1年間は、はしかにかからないように注意してください(この項目の予防)。
 はしかが治って数年後に、亜急性硬化性全(あきゅうせいこうかせいぜん)(汎(はん))脳炎(のうえん)がおこることもあります。
●受診する科
 小児科か内科を受診します。ふつう自宅で治療できますが、異常経過の場合は2週間程度の入院が必要です。
[検査と診断]
 経験の豊かな医師であれば、診察だけで診断がつきますが、ふつう、血液を少し採取して白血球(はっけっきゅう)の数や種類を調べます。また、血清(けっせい)中の抗体(こうたい)の有無を調べることもあります。
◎家庭での看病が主
[治療]
 麻疹ウイルスに有効な薬はありません。症状に合わせて治療します。
 家庭では、つぎのような注意を守りましょう。
家庭看護ポイント
 病室は20℃ぐらいの暖かさにします。やたらに厚着をさせないようにしましょう。
 高熱のときは、気持ちがよくなる程度に頭を冷やしてあげます。食欲がありませんから、栄養の高いものを与え、飲料を十分に飲ませます。
 朝、昼、夕と体温をはかり、症状の変化に気づいたらメモをして、医師に報告しましょう。
●してはいけないこと
 家族が頻繁(ひんぱん)繁に病室に出入りすると細菌やウイルスをもちこみ、抵抗力の衰えている病人に二次感染の肺炎を併発させる危険があります。
 また、はしかにかかったことのない人が病室に入るとうつりますから、病気の子どもが回復期になるまで入室を控えましょう。
 はしかが治って、幼稚園や学校へ行く時期は、医師に相談しましょう(コラム「はしかで幼稚園や学校を休ませる期間」)。
[予防]
 はしかにかかっている人のせきや会話の際、飛び散る麻疹ウイルスが、周囲の人の鼻やのどに付着すると、免疫のない人は感染して発病します。
 はしかは、幼い子ほど合併症をおこして重症になりやすいので、3歳くらいまではかからせたくはないのです。
 それには2つの方法があります。
 1つは、健康なとき生(なま)ワクチンの接種を受けておく予防接種です。
 もう1つは、潜伏期(感染は受けたが、まだ発病していない状態)にある人ならば、緊急予防法があります。
●はしかの緊急予防法
 兄弟姉妹や幼稚園・学校の友だちのなかにはしかにかかった子どもが出て、まだ、はしかにかかっていないとか、はしかの予防接種を受けていない場合は、早く小児科医か内科医に相談しましょう。たとえ、麻疹ウイルスの感染を受けていても、発病させずにすませる方法があります。
 これは、人の血液から、麻疹ウイルスに対する免疫抗体だけをとり出してつくったガンマグロブリン(ヒト免疫グロブリン)を注射するという方法で、うつってから2~3日のうちに注射すれば、完全に発病を防ぐことができますし、5~6日以内であれば発病しても軽くすませることができます。
 このグロブリンの効果は1~2か月しか続きませんから、その後は、はしかの予防接種を受けて、完全に免疫をつくっておくことがたいせつです。
 ただし、ガンマグロブリンの注射と予防接種の間隔は、3か月くらいあけることが必要です。
 ガンマグロブリンの効果が少しでも残っているうちに予防接種を受けると、免疫が完全にはできないのです。

出典|小学館
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

はしか(麻疹)

高熱と赤い発疹が特徴。肺炎や脳炎を合併して死亡することもある。感染力の極めて強いウイルスが起こす感染症で、学校伝染病に指定。患者数は減ったが発症は止まらず、世界保健機関(WHO)から2012年までに排除するよう対策を求められている。厚生労働省は06年度から、ワクチンの2回接種を始めた。

(2010-03-26 朝日新聞 朝刊 神奈川全県 2地方)

はしか(麻疹)

麻疹ウイルスの感染で起こる。熱、鼻水やせきの症状の後、再び高熱が出て全身に発疹が現れる。約1カ月間も免疫機能が落ちてしまうため、他の感染症にもかかりやすくなる。

(2011-02-03 朝日新聞 朝刊 生活2)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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