パンデクテン(読み)ぱんでくてん(英語表記)Pandekten ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンデクテン」の意味・わかりやすい解説

パンデクテン
ぱんでくてん
Pandekten ドイツ語
Pandectae ラテン語

普通名詞では百科辞典の意。法学上は次のような意味に用いられる。(1)古典時代ローマの法学者の学説を集成したユスティニアヌス帝の『学説彙纂(いさん)』。(2)後期注釈学派により形成されドイツに継受された普通法。法実務を通してローマ法を当時の社会的、経済的条件に適合するように理論化、体系化する試みを「パンデクテンの現代的慣用」と称した。さらに19世紀にプフタウィントシャイトを代表者とするパンデクテン法学が隆盛となり、ドイツ民法典(1900)やスイス民法典(1907)に決定的役割を果たしたのである。また、ドイツ法を継受した日本の民法典や民法学にも大きな影響を与えた。

[佐藤篤士]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例