翻訳|formant
声道(声門から上の咽頭,口腔,鼻腔を含む部分)内の空気の共鳴周波数に対応する倍音群。母音や鼻音,流音は舌や顎を移動させて声道の形を変えることにより独自の共鳴室をつくる。こうした共鳴室に応じて母音は三つの固有の倍音すなわちフォルマントをもつ。音声分析装置ソナグラフにより図示されたソナグラムには,周波数の縦軸に沿って3本の濃い線が現れる。これを下から第1,第2,第3フォルマントと呼ぶ。重要なのは第1フォルマント(F1)と第2フォルマント(F2)であって,これらが母音の音質を決定する。
F1は〈イ,エ,ア〉と高くなり,〈ア,オ,ウ〉と低くなる。これは舌の位置が高くなるほど口蓋に近づいた舌の前の部分に形成される共鳴室が小さくなり,低くなるほど共鳴室が大になるからで,共鳴室が大きくなれば周波数は低くなり,共鳴室が小さくなれば周波数は高くなる。
また,F2は〈イ,エ,ア,オ,ウ〉の順に低くなる。これは盛り上がった舌の後部に咽頭を含めて形成される共鳴室の大きさに対応している。
執筆者:小泉 保
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…このような声帯振動の早さによる音の高さのほかに母音は2種類の固有の高さをもっている。音声をスペクトログラフ(ソナグラフ)にかけると,これらの高さは横縞となってフィルム(スペクトログラム)に写し出されるが,この縞をフォルマント(略称F)と呼ぶ(図11参照)。そして周波数の低いものから順次,第1,第2,第3フォルマントと名づける。…
…図面に4本の横縞が浮き出ているが,これらはそれぞれの周波数で示された付近にその音の特徴をなす強さ,すなわち高い振幅が生じていることを意味する。下から第1,第2,第3,第4フォルマントと名づけられ,重要なのは第1フォルマント(F1)と第2フォルマント(F2)である。前半の[a]では,710Hzと1100Hzあたりに,後半の[]では,400Hzと1900Hzにフォルマントが位置している。…
※「フォルマント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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