日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリクテン」の意味・わかりやすい解説
フリクテン
ふりくてん
phlyctena 英語
Phlyktäne ドイツ語
結膜や角膜にできる白色で境界の鮮明な小隆起をいい、しばしば中央が潰瘍(かいよう)となる。結膜に生じたものを結膜フリクテンといい、周囲に充血を伴うが、症状は異物感がある程度で、それも強くない。角膜にできると角膜フリクテンとよび、痛み、まぶしさ(羞明(しゅうめい))など刺激が強い。角膜中に血管が侵入すること(パンヌス)がある。原因は、細菌の菌体成分を抗原とした遅発型アレルギーとされており、かつては結核と関係した例が多かった。腺(せん)病質の小児によくみられ、また顔面湿疹(しっしん)に合併することもある。副腎(ふくじん)皮質ステロイドホルモンの点眼が効く。俗に「目星(めぼし)」または「星目(ほしめ)」とよばれる。
[内田幸男]