日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポタラ宮」の意味・わかりやすい解説
ポタラ宮
ぽたらきゅう
Po-ta-la
漢訳は布達拉宮。中国、チベット自治区の首府ラサ市北西のマルポ・リ(紅山)の上にあるダライ・ラマの宮殿。通称ツェ・ポタラrTse po-ta-la(山頂ポタラ)。ポタラ山は南インドにある観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の住む補陀洛(ふだらく)Poalakaに由来する。7世紀のソンツェンガンポ王が創設したとされるが、彼は観音(かんのん)の化身と崇(あが)められたので、その宮殿がポタラとよばれたのである。現在のポタラ宮は第5代ダライ・ラマが1645年から造営したもので、50年余りを要して完成した。以後、歴代ダライ・ラマの王宮として宗教・政治の中心機構となった。宮殿は山の斜面に沿って城塞(じょうさい)をなし、全13層、長さ400メートルにも及ぶ。この宮殿のある歴史地区は世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[渡辺章悟]