メダン(英語表記)Medan

デジタル大辞泉 「メダン」の意味・読み・例文・類語

メダン(Medan)

インドネシアスマトラ島北部の商業都市。北スマトラ州の州都マラッカ海峡に注ぐデリ川沿いに位置する。オランダ統治時代にタバコプランテーションがつくられて発展し、同島最大の都市になった。タバコのほか、ゴム、茶の集散地人口、行政区203万(2005)。

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精選版 日本国語大辞典 「メダン」の意味・読み・例文・類語

メダン

  1. ( Medan ) インドネシア、スマトラ島北部の中心都市。デリ・バブラ両川の合流点にある。タバコ・茶・ゴム・ヤシ油集散地。

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改訂新版 世界大百科事典 「メダン」の意味・わかりやすい解説

メダン
Medan

インドネシア,スマトラ島北部の都市。スマトラ最大の都市で北スマトラ州の州都。人口198万3659(2003)で,そのうちの1/5を中国系が占め,流通部門で活動している。デリー河口から24km上流にあり,ブラワンBelawanがメダンの外港をなす。標高16m,年平均気温25.2℃,年平均降水量2034mm。

 マレー人スルタンの支配するデリー王国の王都であったが,1870年以降,デリー,セルダン,ランカット地方がタバコ,ゴム,ココヤシなどのプランテーション地域として発展するにつれ,良港ブラワンをもつメダンは,その中心としてスマトラ第一の都市に成長した。このためメダンでは,デリー・スルタンの臣民たるマレー人は少数派に転落し,ジャワ人,ミナンカバウ族,華僑などが住民の多数を占め,1910年代後半以降,西洋式初・中等教育を受けた事務職員,鉄道,港湾労働者などを基盤に,反スルタン色の濃い民族運動がイスラム同盟共産党,インドネシア党などの指導下に発展した。46年デリー王国のスルタン制を廃し,その北スマトラ州への編入契機となった〈社会革命〉は,そうした古参の民族主義者の一人,元共産党員のカリムの指導下に行われたものであった。

 1909年に市制を施行し,広い並木道をもつインドネシアで最もヨーロッパ化された都市の一つである。アフマッド・ヤニ将軍通り,スラバヤ通りがショッピング・センターで,メスジット・ラヤはインドネシアでも最大規模のモスクの一つである。国立北スマトラ大学,国際空港がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メダン」の意味・わかりやすい解説

メダン
Medan

インドネシアスマトラ島最大の都市。スマトラウタラ州の州都。スマトラ島北部,マラッカ海峡に臨むブラワン港の南方 19kmに位置する。周辺は肥沃な火山性土壌に恵まれ,1873年頃からタバコをはじめとする大規模なプランテーションが次々と開かれたため,その商業中心地として急速に発展。1886年にはオランダ総督府によって,スマトラ東海岸の行政中心地,スルタンの居住地とされた。タバコのほかゴム,チャ(茶),アブラヤシなどが集散される。煉瓦,タイル,機械などの軽工業も立地。スマトラウタラ大学,イスラム大学がある。住民は中国人,ジャワ族マレー人バタック族など多様。州南部とアチェ州を結ぶ鉄道,道路が走り,国際空港もある。領事館や外国商社も多い。面積 265km2。人口 209万7610(2010)。

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百科事典マイペディア 「メダン」の意味・わかりやすい解説

メダン

インドネシア,スマトラ島北部,同島第1の都市。北スマトラ州の州都。デリ川にまたがる。1860年代にオランダがこの地域にタバコのプランテーションを開いてからその取引の中心として急速に発展した。現在も付近のデリ・タバコ(スマトラ・タバコ),ゴム,茶の集散で栄える商業都市。ヨーロッパ文化の影響を受けた美しい熱帯都市であるが,華人の居住者も多く,人口の5分の1を占める。流通部門を握る華人への住民の不満は,1994年の反華人暴動となった。北方約25kmに外港ブラワンがあり,背後のバリサン山脈中にトバ湖がある。209万7610人(2010)。
→関連項目スマトラ[島]マタラム

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メダン」の意味・わかりやすい解説

メダン
めだん
Medan

インドネシア、スマトラ島北部の都市。スマトラ島最大の都市で、北スマトラ州の州都。マラッカ海峡に注ぐデリ川の河口から24キロメートル上流に位置する。人口は168万5972(1990)で、うち5分の1を中国系が占め、各種流通部門で活躍している。2018年には、推計人口226万9588。19世紀なかばまでは一寒村にすぎなかったが、1860年代にオランダのたばこ会社がこの地方の支配権をもつスルタンから土地を租借し、農園を開いてから急速に発展した。外港としてブラワンが開かれ、周辺地のタバコ、ゴム、茶などのプランテーション産物の集散地として繁栄し、スマトラ島第一の都市に発展した。市街はインドネシアでもっとも西欧化した外観を呈し、美しい熱帯植民都市の典型とされている。ポロニア地区が官庁・住宅地域で国立北スマトラ大学も設置されている。インドネシアではジャカルタと並ぶ国際空港の所在地でもある。なお後背地のトバ湖やブラスタギ避暑地も観光地として脚光を浴びてきている。

[別技篤彦]

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