メダン(読み)めだん(英語表記)Medan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メダン」の意味・わかりやすい解説

メダン
Medan

インドネシアスマトラ島最大の都市。スマトラウタラ州州都。スマトラ島北部,マラッカ海峡に臨むブラワン港の南方 19kmに位置する。周辺は肥沃な火山性土壌に恵まれ,1873年頃からタバコをはじめとする大規模なプランテーションが次々と開かれたため,その商業中心地として急速に発展。1886年にはオランダ総督府によって,スマトラ東海岸の行政中心地,スルタンの居住地とされた。タバコのほかゴム,チャ(茶),アブラヤシなどが集散される。煉瓦タイル,機械などの軽工業も立地。スマトラウタラ大学,イスラム大学がある。住民は中国人,ジャワ族マレー人バタック族など多様。州南部とアチェ州を結ぶ鉄道,道路が走り,国際空港もある。領事館や外国商社も多い。面積 265km2。人口 209万7610(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メダン」の意味・わかりやすい解説

メダン
めだん
Medan

インドネシア、スマトラ島北部の都市。スマトラ島最大の都市で、北スマトラ州の州都。マラッカ海峡に注ぐデリ川の河口から24キロメートル上流に位置する。人口は168万5972(1990)で、うち5分の1を中国系が占め、各種流通部門で活躍している。2018年には、推計人口226万9588。19世紀なかばまでは一寒村にすぎなかったが、1860年代にオランダのたばこ会社がこの地方の支配権をもつスルタンから土地を租借し、農園を開いてから急速に発展した。外港としてブラワンが開かれ、周辺地のタバコ、ゴム、茶などのプランテーション産物の集散地として繁栄し、スマトラ島第一の都市に発展した。市街はインドネシアでもっとも西欧化した外観を呈し、美しい熱帯植民都市の典型とされている。ポロニア地区が官庁・住宅地域で国立北スマトラ大学も設置されている。インドネシアではジャカルタと並ぶ国際空港の所在地でもある。なお後背地のトバ湖やブラスタギ避暑地も観光地として脚光を浴びてきている。

[別技篤彦]

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