ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロンドン動物園」の意味・わかりやすい解説
ロンドン動物園
ロンドンどうぶつえん
London Zoo
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ロンドン動物学協会により1828年にイギリス、ロンドン市のリージェント・パーク内に開園された動物園。当初はGardens of The Zoological Societyという名称で、会員とその友人だけが入園できるものであった。1847年から平日のみはだれもが入園できるようになり、日曜も開放されたのは1940年のことである。ロンドン動物学協会は1826年に設立され、1829年には国王のジョージ4世により「動物学の振興と動物界の新しく珍しい事実を紹介する」ための協会として認められた。当時のイギリス王国の力を借りて、世界各地の動物が収集展示された。哺乳(ほにゅう)類と鳥類だけでなく、動物界のすべてを紹介するため、爬虫(はちゅう)類館(1849)、水族館(1853)、昆虫館(1881)を世界で初めて建設した。2002年末の飼育動物は495種4856点で、このほかに163種9009点(推定)の無脊椎(むせきつい)動物と、19種の家畜・家禽(かきん)がいる。面積は15ヘクタール。1931年には、より自然に近い状態での展示を目ざして、郊外に分園のホイプスネード動物公園(260ヘクタール)を開園した。ホイプスネード動物公園の飼育動物は149種2880点で、このほかに家畜11種に加え、31種295点(推定)の魚類と、26種70点(推定)の無脊椎動物がいる。
[祖谷勝紀]
『G・ヴェヴァーズ著、羽田説子訳『ロンドン動物園150年』(1972・築地書館)』
ロンドンにある動物園。探検家であり博物学者でもあったT.S.ラッフルズやJ.バンクスの尽力で設立されたロンドン動物学協会は,〈動物学および動物生理学の進歩および動物界における新しいものを紹介する〉目的で,1828年にリージェント公園内にロンドン動物園を開設した。これは動物園が一部の特権階級のものであったそれまでの流れに終止符を打ち,一般市民の動物に対する正しい認識を広めようとする近代化の一歩であった。展示法も従来の見世物的な檻(おり)を,動物の習性とみやすさの両面から改良し,近代動物園のパイオニアとしての役割を果たしてきた。園内の施設として爬虫類館,水族館,昆虫館が開設されたが,いずれも世界初の試みとして成果をあげ,その後の動物園界に多大な影響をもたらした。面積約15ha。また研究所と図書館を所有しているが,近年経営上の問題から規模が縮小されている。一時,動物園も閉鎖される危機にあったが,国際的な寄付金によって維持されている。《国際動物園年鑑》《動物命名表》をはじめとする雑誌や単行本の刊行は続けられている。なお,動物園を意味するzooということばは市民がロンドン動物園の略称として用いたThe Zoologicalがさらに略されたもので,それがやがて動物園そのものを示すことばに変わってきたものである。
執筆者:矢島 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
… こうした事実と成果は世界の注目を集め,各国からこれを見にきた。たとえばイギリスのT.S.ラッフルズはこれに刺激され,後年ロンドン動物園を開設するために動き出したと推定されるし,万国博参加のために日本からやってきた田中芳男や福沢諭吉もこれを見学し,やがて日本に動物園をつくるときにここの印象を基にしたと考えられている。 つまり動物園という啓蒙施設はこのメナジュリーを原型として,19世紀にヨーロッパやアメリカに広がり飛躍的な発展を遂げるのである。…
※「ロンドン動物園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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