ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレメンス5世」の意味・わかりやすい解説
クレメンス5世
クレメンスごせい
Clemens V
[没]1314.4.20. ロクモール
ボルドー地方出身の第195代教皇(在位 1305~14)。本名 Bertrand De Got。1299年ボルドー大司教となり,1305年フランス王フィリップ4世に擁立されペルジャで教皇に選出された。1309年に教皇座をローマからアビニョンに移し,最初のアビニョン教皇となった(→教皇のバビロン捕囚)。フィリップ4世の政策に追随して 1311年から 1312年にかけてビエンヌ公会議を開催,1312年には神殿騎士修道会を解散し,1313年には前教皇ボニファチウス8世によって廃位・幽閉されたケレスチヌス5世を列聖した。縁故主義をとり,秘密裏に蓄財していたとみられるが,学術への貢献で知られる。中国に首都大司教管区を設け,ペルジャに大学を設立,パリ,ボローニャ,オックスフォード,サラマンカに東洋語の講座を開いた。教会法について発布した多くの改革令は『クレメンス教令集』Clementinaeとして伝えられる。
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