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アヘン(阿片) アヘンopium

翻訳|opium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アヘン(阿片)
アヘン
opium

麻薬の一種。ケシの実からとれる乳液を乾燥したもの。初めは白色の液体であるが,空気に触れて凝固し,褐色固体となる。アヘンアルカロイド (モルヒネコデイン系およびパパベリン) を含む。アヘンアルカロイドは,鎮痛作用と麻酔作用を有し,嗜癖をもたらすモルヒネやコデインなどのグループと,鎮痛・麻酔作用をもたず嗜癖をもたらさないパパベリンやノスカピンなどのグループに分類できる。中毒性の強いものであるため,麻薬及び向精神薬取締法でケシの栽培,アヘンの製造は厳重に制限されている。アヘン喫煙は 18世紀なかばに中国から全世界に広がった。

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百科事典マイペディアの解説

アヘン(阿片)【アヘン】

ケシの未熟な果実に傷をつけ,しみ出た液汁を乾固したもの(生アヘン),およびこれを吸煙用,医薬用に加工したもの。麻薬。吸煙用アヘンはエキス状でアヘン煙膏ともいう。
→関連項目劇薬向精神薬生薬ドーフル散

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世界大百科事典 第2版の解説

あへん【アヘン(阿片) opium】

ケシPapaver somniferum L.の未熟の果実に傷をつけ,浸出してくる白色乳液が空気に触れ,乾燥して黒色をおび,固形となったもの。産地によって形状が異なり,300~700gくらいの重量のもち状,球円状,円錐状の形にして商品にされる。 作用の本体となるのは全量の約25%を占める20種以上のアルカロイドであるが,これらは化学的には次のように二つに大別される。一つはフェナントレン骨格をもつモルヒネ(10~16%),コデイン(0.8~2%),テバインthebaine(0.5~2%)であり,他の一つはイソキノリン骨格をもつパパベリンpapaverine(0.5~2.5%),ノスカピンnoscapine(ナルコチンともいう。

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世界大百科事典内のアヘン(阿片)の言及

【向精神薬】より

…これが精神状態を抗不安薬で良くした最古の記録である。このほかにアヘンとブドウ酒が有効だと古くから信じられてきた。アヘンは前4000年にすでに採集され,ヒッポクラテスもこれを使ったという。…

【モルヒネ】より

モルフィンともいう。アヘンの主成分で,産地によって異なるがアヘンに9~14%含まれる。モルヒネは1805年ドイツの薬剤師F.W.A.ゼルチュルナーによって初めて分離され,1952年M.ゲーツらによって化学的に合成された。…

【薬用植物】より

…それらの中で,薬効と関連するものを有効成分という。化学成分の研究は1803年F.ゼルチュルナーがアヘンからモルヒネを単離して以来,キナ皮からキニーネ,タバコからニコチン,吐根からエメチン,コカ葉からコカイン,さらにストリキニーネ,アトロピン,ヒヨスチアミン,エフェドリンといった重要な,生理活性の強いアルカロイドがいろいろな薬用植物から次々と単離された。さらに1837年J.F.リービヒとF.ウェーラーがアミグダリンを加水分解して糖を得たことから,配糖体が薬効成分として大きな位置を占めることが知られるようになった。…

※「アヘン(阿片)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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