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アルコール発酵 アルコールはっこう alcoholic fermentation

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルコール発酵
アルコールはっこう
alcoholic fermentation

生物の無酸素 (無気) 的なエネルギー獲得反応系の一つであって,糖を出発物質として,最終産物としてエチルアルコール二酸化炭素 (炭酸ガス) へと分解する。この間,糖1分子につき2分子のアデノシン三リン酸 ATPを初期に投入するが,後段で4分子の ATPを回収することにより,糖分解のエネルギーの一部分を捕獲する。

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デジタル大辞泉の解説

アルコール‐はっこう〔‐ハツカウ〕【アルコール発酵】

酵素の作用で糖類エチルアルコールエタノール)と二酸化炭素(炭酸ガス)に分解する反応。酵母などの無気呼吸によって起こる。古くから酒造に利用。酒精発酵
[補説]近年、バガスや藁(わら)、廃材などのバイオマスを発酵させてアルコールを作り、燃料として用いる方法が研究されている。→バイオマス燃料

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百科事典マイペディアの解説

アルコール発酵【アルコールはっこう】

生物の営む無酸素的炭水化物分解の一種。糖または多糖類が分解され,最終的にはエチルアルコールと炭酸ガスを生成する現象。 C6H12O6→2C2H5OH+2CO2解糖作用とほぼ同じ経過をたどり,最終段階でピルビン酸から,解糖では乳酸が,発酵ではエチルアルコールが生じる。
→関連項目乳酸発酵ブフナー

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栄養・生化学辞典の解説

アルコール発酵

 炭水化物を無酸素的に分解してアルコール(通常エタノール)とし,エネルギーを獲得する様式.アルコール飲料を製造する目的でこの反応が広く工業的に利用される.

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世界大百科事典 第2版の解説

アルコールはっこう【アルコール発酵 alcoholic fermentation】

生物が酸素のない条件下で次式に従い糖からエタノールと炭酸ガスを生成する代謝様式をいう。 ビール酵母,ブドウ酒酵母,日本酒酵母(いずれもSaccharomyces cerevisiaeに属する)をはじめとして,その他の酵母やカビなどの微生物には広く認められる現象である。酵母によるアルコール発酵は酒の醸造のほかに,工業用・燃料用アルコールの製造にも利用されている。アルコール発酵が,生物である酵母の作用によることは19世紀L.パスツールによって初めて明確に指摘され,その機構の研究は生物における糖代謝経路と発酵現象の解明に重要な役割を果たした。

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大辞林 第三版の解説

アルコールはっこう【アルコール発酵】

酵母・細菌などの作用で、ブドウ糖などからエタノール(エチルアルコール)と二酸化炭素(炭酸ガス)を生成する反応。ビール・日本酒・葡萄ぶどう酒の醸造やアルコール工業に応用される。酒精発酵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルコール発酵
あるこーるはっこう

微生物による炭水化物の無酸素的分解現象(発酵)の一種。酒精発酵ともいい、乳酸発酵とともに代表的な発酵の一つである。糖または多糖から最終的にエチルアルコール(エタノール)と二酸化炭素(炭酸ガス)を生ずる反応で、次式により示される。
  C6H12O6―→2CH3CH2OH+2CO2
この作用をもつ微生物でもっともよく知られているのは酵母で、グルコース、フルクトース、マンノース、マルトース、スクロース(サッカロース)を発酵しうる。一方、大部分の動物組織においてはアルコール発酵はおこらず、炭水化物は無酸素的に分解されて、乳酸を生成する。[伊藤莪]

研究史

アルコール発酵は、有史以前から人類がアルコール性飲料やパン生産のために利用してきた自然現象であるが、その原因は不明のままで過ごされ、19世紀になってもビールをつくるときたまるビールの粕(かす)(酵母)は単なる化学物質にすぎないと考えられていた。しかし、1857年から1858年にかけてフランスの微生物学者パスツールにより、発酵は微生物によっておこることが発見された。ついで1897年ドイツの生化学者ブフナーが、細胞を含まない酵母抽出液によって発酵がおこることを発見し、発酵の原因をなしている物質すなわち酵素をチマーゼと命名した。さらにハルデンA. Harden(1865―1940)とヤングW. J. Young(1878―1942)は酵母汁によるアルコール発酵が継続するには無機リン酸が必要で、糖のリン酸エステルが生成することおよび酵母の絞り汁の限外濾過(ろか)液中に補酵素の存在することをみいだした。また、ドイツ生まれのアメリカの生化学者ノイベルクCarl Neuberg(1877―1956)らにより発酵過程の研究が進む一方、アルコール発酵と筋肉の抽出液によるグリコーゲンの解糖がきわめて類似した経路を通ることが明らかにされた。発酵および解糖過程の解明には、ノイベルクのほか、ドイツの生理化学者マイヤーホーフOtto Meyerhof(1884―1951)やドイツの生化学者エムデンGustav Embden(1874―1933)をはじめ、パルナスJ. K. Parnas(1884―1949)やワールブルクO. Warburgら多くの研究者の努力が傾けられ、その分解経路は彼らの名にちなんで「エムデン‐マイヤーホーフ‐パルナスの経路」とよばれている。[伊藤莪]

発酵過程

アルコール発酵の過程を要約すると、炭水化物がATP(アデノシン三リン酸)によりリン酸化されて六単糖二リン酸になり、これから2分子の三単糖リン酸が生ずる。さらにこれが酸化される過程で、2分子のATPをつくってピルビン酸になる。ピルビン酸は脱炭酸されてアルデヒドになり、さらに還元されて最終的にアルコールを生成する。発酵過程のエネルギー収支をみると、4分子のATPがつくられるが、最初の炭水化物のリン酸化に2分子のATPが使われるので、結局、発酵されたグルコース1分子当り2分子の新しいATPが得られることになり、生物はこの獲得したエネルギーで自らを維持し、成長し、増殖するのに必要な物質の合成を行うわけである。
 なお、細菌類のなかにはアルコール発酵以外の形式で糖を発酵するものがあり、乳酸発酵や酢酸発酵など種々の発酵形式が知られている。
 1980年(昭和55)ころから、稲藁(わら)、麦藁、バガス(サトウキビの絞り粕)、廃木材など再生可能な植物資源(バイオマス)から、微生物の働きを利用してアルコールを生産する方法が、エネルギーの再生産法として注目されている。[伊藤莪]
『草野昭久著『エタノール工業』(1983・発酵工業協会) ▽越智猛夫編著『図解 バイオテクノロジー2 醸造・発酵からリアクターまで――微生物・酵素利用の実際』(1989・農業図書) ▽山中健生著『生化学入門』(1997・学会出版センター) ▽生田哲著『バクテリアのはなし』(1999・日本実業出版) ▽板倉辰六郎ほか監修、バイオインダストリー協会発酵と代謝研究会編『発酵ハンドブック』(2001・共立出版)』

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世界大百科事典内のアルコール発酵の言及

【解糖】より

…嫌気条件下では酸素は使えないので,ピルビン酸を乳酸に還元する最後の反応でNADを再生することになる。酵母におけるアルコール発酵も同様な意味をもっている。解糖の生理的役割は二つあり,その一つは上に述べたようにエネルギーの産生であるが,他の一つは,生体物質の供給である。…

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