翻訳|Isaac
旧約聖書に登場する人物で,イスラエルの族長のひとり。《創世記》によれば,アブラハムが100歳,妻サラが90歳のときに生まれた唯一の嫡子。神がアブラハムに与えた子孫の祝福のしるしとしての意味をもつ〈約束の子〉であったが,少年時代に,神がアブラハムの信仰を試みるために下した〈イサクを神に犠牲として捧げよ〉との命令に対して,父とともに従順であった。晩年に失明し,死ぬ前に長子エサウを祝福しようとしたが,欺かれて次男のヤコブを祝福した。
執筆者:並木 浩一
イサクの物語の諸場面は古くから《ウィーン創世記》などに見いだされるが,なかでもキリスト磔刑(たつけい)の予型とされる〈イサクの犠牲〉の場面は,単独でも多く描かれてきた。イサクに刃をかざすアブラハムを天から差し出された手が止める表現(サン・ビターレ聖堂モザイク,6世紀)や後には天使が天から舞いおりるなど劇的な表現が好まれた(レンブラント《イサクの犠牲》1635)。このほか,〈燔祭(はんさい)のたきぎを運ぶイサク〉(ブールジュ大聖堂ステンド・グラス,13世紀),〈イサクとリベカの結婚〉,〈イサクとリベカを見るアビメレク王〉の場面などが美術作品にとりあげられる。
執筆者:浅野 和生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
イスラエルの族長の一人。『旧約聖書』の「創世記」によれば、アブラハムの息子で、エサウおよびヤコブの父とされる。なかでも「イサク奉献」(22章)、「嫁選び」(24章)、「ゲラル逗留(とうりゅう)」(26章)および「ヤコブ祝福」(27章)は、イサクの生涯と信仰についてよく物語っている。「イサク」の名は「笑い」の意を有し、彼の誕生前後のさまざまな笑いに由来する。両親は、神から子授けの約束を聞き、自分たちの高齢を思って苦笑する(17章17、18章12)。母サラは、イサクを産んで喜び笑い、同時に高齢出産に対する世間のもの笑いを気にする(21章6)。ちなみにキルケゴールは、彼の著書『おそれとおののき』のなかで、イサク奉献をめぐり信仰の諸問題について省察する。
[定形日佐雄]
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