イソプレン(英語表記)isoprene

翻訳|isoprene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

2-メチル-1, 3-ブタジエンともいう。化学式 CH2=C(CH3)CH=CH2 。天然ゴムの構成分子であり,天然ゴムの熱分解によって得られる。また石油の分解生成物にも含まれる。合成ゴム製造の原料となる揮発性液体で,沸点 34℃。刺激臭があり,有機溶剤によく溶ける。共役ジエン特有の反応を示し,適当な触媒によりイソプレン自身の重合あるいは他の不飽和化合物と共重合させて,種々の特性をもつ合成ゴムを得ることができる。工業的には石油分解物のイソペンタンの脱水素により生産される。

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百科事典マイペディアの解説

化学式はCH2=C(CH3)−CH=CH2。刺激臭のある無色の液体。融点−145.95℃,沸点34.07℃,比重0.78942。天然ゴムの高分子をつくる主要基本単位。工業的にはイソペンテンの脱水素,プロピレン2量体の熱分解などによって得られる。合成ゴム(イソプレンゴムブチルゴム)用原料として使用。
→関連項目グッタペルカゴム

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世界大百科事典 第2版の解説

二重結合を二つもつ脂肪族鎖式不飽和炭化水素(ジオレフィン,鎖式ジエン)の一つ。IUPAC命名法では2‐メチル‐1,3‐ブタジエン。古くから天然ゴムの単位構成分子として知られている。天然ゴム,テレビン油などを熱分解すると得られる。無色でやや刺激臭のある揮発性液体。融点-145.95℃,沸点34.07℃,比重0.78942(0℃)。各種溶剤に可溶,水には不溶。二重結合は共役二重結合をなすので化学反応性が高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

正しくは2-メチル-1,3-ブタジエンといい、共役ジエンの一つ。化学式H2C=C(CH3)-CH=CH2。天然ゴムやテレビン油(テレピン油ともいう)を熱分解すると得られる。

 無色の弱い刺激臭をもつ液体。工業的にはナフサや軽油の熱分解の副生成物の一つとして得られ、また石油から得られるイソペンタンの脱水、あるいはイソブテンとホルムアルデヒドから、またはアセチレンとアセトンから製造される。これをツィーグラー・ナッタ型の触媒を用いて重合させて、天然ゴムと同様にすべての二重結合がシス型の配置をとったポリイソプレンとし、合成天然ゴムsynthetic natural rubberとして利用する。これは高い弾性を示すが、他方イソプレンをとくに触媒を用いずに重合させた重合体は、すべての二重結合がトランス型の配置をとるため、弾性を示さない。あるいはイソブチレンと共重合させた通称ブチルゴムは二重結合を含まないため、弾性が乏しい。天然のテルペンの骨格はイソプレン単位から光合成されたと考えられている。

[徳丸克己]

『Donatas Satas編著、水町浩監訳、井上雅雄ほか訳『粘着技術ハンドブック』(1997・日刊工業新聞社)』『R・ホワイマン著、碇屋隆雄・山田徹訳『有機金属と触媒――工業プロセスへの展開』(2003・化学同人)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (isoprene) 脂肪族不飽和炭化水素で天然ゴムの構成分子。化学式 C5H8 無色透明で刺激臭のある揮発性液体。石油分解物からも合成される。合成ゴム、合成樹脂の原料となる。

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化学辞典 第2版の解説

C5H8(68.12).CH2=CH(CH3)C=CH2.2-メチル-1,3-ブタジエン(2-methyl-1,3-butadiene)ともいう.脂肪族不飽和炭化水素(ジエン)の一つ.分枝メチル基と共役二重結合とをもっている.天然ゴムの構成単位であり,石油系炭化水素の分解ガス中にも含まれる.製法は,天然ゴム,テレビン油などを熱分解して得られる.工業的には,石油系炭化水素の熱分解により,エテンを製造する際に副生する C5 留分から,抽出蒸留により分離する方法,イソペンテンを脱水素する方法,イソブテンとホルムアルデヒドを脱水縮合する方法などがある.構造はブタジエンの内部炭素に結合している水素の一つをメチル基で置換した構造をもつ.無色のやや刺激臭のある揮発性の液体.融点-145.95 ℃,沸点34.07 ℃.0.67587.1.41852.各種有機溶剤に可溶,水に不溶.共役ジエンとしてブタジエンと同様の化学反応性を示し,石油化学工業における重要な炭化水素中間体の一つ.おもな用途はイソプレンゴム(cis-1,4-ポリイソプレン),ブチルゴムなどの合成ゴム原料,およびファインケミカル用合成原料である.[CAS 78-79-5]

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