カウボーイ(英語表記)cowboy

翻訳|cowboy

デジタル大辞泉 「カウボーイ」の意味・読み・例文・類語

カウボーイ(cowboy)

米国西部・メキシコなどの牧場で、馬に乗って働く牛飼い。牧童。「カウボーイハット」
[類語]牛飼い牧童博労伯楽羊飼い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「カウボーイ」の意味・読み・例文・類語

カウ‐ボーイ

〘名〙 (cowboy) 米国西部・メキシコなどの牧場で牛飼いの男。牧童。〔音引正解近代新用語辞典(1928)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「カウボーイ」の意味・わかりやすい解説

カウボーイ
cowboy

牧童のこと。とくにアメリカ西部の牧畜農場で馬に乗って牛の世話をする男たちを指す。1820年代,テキサスではもうカウボーイの活躍が見られたが,彼らの黄金時代は67年にはじまる。カンザス州アビリーンまで鉄道がのびた時,家畜商人のジョーゼフ・マッコイJoseph G.McCoy(1837-1915)はここに牛を集め,東部へ運ぶことを思いつき,当時テキサスでは1頭4ドルだった牛を40ドルで買うと宣伝した。たちまちカウボーイたちは,テキサスから〈チザム・トレール〉沿いに,1000マイル(約1600km)もの距離をものともせず,年間50万頭の牛をここまで追ってきた。鉄道が西へのびるに従い,ほかのトレール(牛追い道)も開発され,ロング・ドライブ(遠い牛追い)に従事するカウボーイは時代の花形となった。ただし80年代の末になると,農場や牧場に有刺鉄線の柵が設けられて牛の通行を妨げ,加えて南部に鉄道が発達してきたため,牛追いは急速に過去のものとなった。

 カウボーイには,牛を育て,焼印を押し,盗人や野獣から守り,市場まで届けるなど,さまざまな仕事があった。彼らは乗馬にすぐれ,投縄やピストルの技をみがき,恐れを知らぬ働き手だった。しかし生活はきびしく,事故や肺炎で死ぬ者が多く,平均して一人7年ほど働けるだけだった。彼らは一般に日雇い労働者で,渡り者も多く,粗野,不潔,しばしば不道徳で,農民たちには嫌われていた。しかし,ロング・ドライブの時代が終わるころから,カウボーイは伝説化され,ロマンティックに美化されだした。野性にみちた自由な生き方,純朴な正義心,インディアン無法者や強欲な資本家から開拓者を守るガンさばき,しかも孤独をかかえた人間性。それがバラッドトール・テール(ほら話)やパルプ雑誌で語られ,ついに西部劇映画でアメリカの騎士道物語にまで昇華されることになった。今日もカウボーイはもちろん存在し,アメリカの牧畜業の支えになってはいるが,かつての華やかさはない。
ガウチョ
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カウボーイ」の意味・わかりやすい解説

カウボーイ
cowboy

おもにアメリカ合衆国西部で,馬上から牧牛を扱う技能をもつ牧夫。ミシシッピ川以西で牧畜業に不可欠の働き手となり,アメリカの民間伝承においてその人物像は美化された。1820年頃,アメリカ人開拓者はテキサスの牧場でバケーロ vaquero(スペイン語でカウボーイの意。英語ではバッカルーと発音される)に出会い,なかにはバケーロから投縄(ラッソ),鞍,拍車,焼印などに関する技能を習得する者たちもいた。南北戦争終結後の 1865年以降,北部の諸都市で高い利益を生む牛肉市場が形成されると,多くのテキサス州民がウシの飼育に従事するようになった。牧畜業はグレートプレーンズを越えてカナダへ,また西のロッキー山脈へと広がった。一般的に約 2500頭のウシの群れにカウボーイ 8~12人が伴ってウシの世話をする。秋になると,共有の放牧地で持ち主のいないウシなども含めてウシを駆り集め,商標としての焼印がまだ押されていないウシには焼印を押し,冬の間はウシの群れを見守り,春になると市場に出せる状態のウシを選び,最寄りの鉄道駅がある町まで群れを移送した。その道程は数百kmに及ぶことが多かった。町でウシを東部の買い手に売り渡したカウボーイたちはつかの間の息抜きを楽しんだのち,帰途について次の 1年の営みを始めた。西部開拓による農地の拡大に伴って放牧地は農場へと転換されていった。牛追いたちも 1890年には鉄道の線路付近などで有刺鉄線に囲まれた牧場に定住することを強いられた。こうしてカウボーイは衰退したが,19世紀末から 20世紀にかけていわゆる三文小説などフィクションの世界において,独立独歩を貫く風格の備わった西部の寡黙なヒーローという人物像が定着し,映画やテレビドラマを通じて語り継がれている。(→ガウチョ西部物

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カウボーイ」の意味・わかりやすい解説

カウボーイ
かうぼーい
cowboy

アメリカ西部やカナダ、メキシコなどの牧場で働く牧夫のこと。カウは雌牛の意。もともとは、アメリカ独立戦争のときイギリスにくみした王党派のゲリラ隊の名称であった。16世紀なかば、アメリカのテキサスに初めて牛が家畜として登場し、のちに各地に広まった。これを飼育したり輸送したりする者をカウパンチャーcowpuncherまたはパンチャーpuncher(家畜の番人)とよんだが、のちカウボーイというようになり、19世紀に最盛期を迎えた。乗馬や投げ縄の得意な荒くれ男が多く、民謡や物語をはじめ、西部劇映画には欠かせない登場人物として、革のベストやテンガロン・ハットまたはカウボーイ・ハットとよばれるつば広の帽子など、独特の風俗で親しまれる。カウボーイのはくジーンズは実用的ではき心地がよいところから、現在若者や子供たちの日常着として世界的に流行している。なお南米草原地方のカウボーイは、ヨーロッパ人と原住民との混血が多く、ガウチョgauchoとよばれている。

[佐藤農人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「カウボーイ」の意味・わかりやすい解説

カウボーイ

牧童。米国西部の牧場で馬に乗って牛の世話をする牧夫。1860年代には東部へ運ぶ牛を鉄道駅まで追うため多くのカウボーイが活躍した。革ジャンパーにテンガロンハットかぶり,乗馬,投縄,ピストルに長けていた。1880年代末,有刺鉄線の柵が普及するとともに衰退。彼らの自由さや野性的なイメージはやがて伝説化され,西部劇映画,小説などの題材となった。→ガウチョ
→関連項目テキサス[州]ロデオ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本の企業がわかる事典2014-2015 「カウボーイ」の解説

カウボーイ

正式社名「株式会社カウボーイ」。英文社名「COWBOY Co., LTD.」。小売業。昭和48年(1973)「株式会社カネイチ」設立。同63年(1988)「株式会社カウボーイ」に社名変更。本社は札幌市東区伏古13条。食肉・青果物など食料品が主体のディスカウントストア。北海道地盤に直営店「カウボーイ」を展開。JASDAQ旧上場。平成20年(2008)上場廃止。同22年(2010)親会社の「株式会社トライアルカンパニー」に吸収合併。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

飲み物がわかる辞典 「カウボーイ」の解説

カウボーイ【cowboy】


カクテルの一種。バーボンウイスキー、生クリームをシェークしてカクテルグラスに注ぐ。ショートドリンク。ウイスキーを牛乳で割ってステアするレシピもある。食後酒。

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android