カテコール

化学辞典 第2版「カテコール」の解説

カテコール
カテコール
catechol

pyrocatechol,1,2-dihydroxybenzene.C6H6O2(110.11).カテキュー乾留によって得られるが,o-クロロフェノールアルカリ融解グアイアコールの脱メチル化などによって合成される.無色の稜柱状晶.融点104 ℃,沸点245 ℃.1.344.Ka 3.3×10-10(18 ℃).昇華しやすく,水,アルコールあるいはエーテル可溶.酸化されやすく,とくにアルカリ溶液は空気中で変色しやすい.o-キノンとの間に酸化還元系をつくり,生体内電子伝達系の一つとしてはたらく.メトール(p-メチルアミノフェノール)と組み合わせて写真用現像薬として用いられる.また,アルカリ溶液中で金属と錯体をつくるので,分析用試薬としても用いられる.[CAS 120-80-9]

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日本大百科全書(ニッポニカ)「カテコール」の解説

カテコール
かてこーる
catechol

二価フェノールの一つ。1,2-ベンゼンジオール、1,2-ジヒドロキシベンゼンのこと。慣用名としてピロカテコールブレンツカテキンなどともよばれる。

 リグニンタンニンのアルカリ融解によっても生成するが、1,2-ジクロロベンゼンを銅塩を触媒としてアルカリと加熱して製造する。純粋なものは無色の結晶であるが、酸化を受けやすく、空気や光によって着色する。エタノール(エチルアルコール)やエーテルによく溶け、また冷水にもかなり溶ける。還元力が高く銀鏡反応を示し、フェーリング液を還元する。写真の現像液の主成分として、またチタン、モリブデン、鉄、コバルトなどの金属イオンの分析試薬としても用いられる。

[徳丸克己]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「カテコール」の解説

カテコール
catechol

ピロカテキン,ピロカテコール,ブレンツカテキン,1,2-ジオキシベンゼンなどともいう。化学式 C6H4(OH)2 。無色柱状晶。融点 104~105℃。水,アルコールに溶け,空気や光にさらすと着色する。サリチル酸過酸化水素で酸化してつくられる。写真の現像薬に用いられる。アルカリ性で金属イオンとキレート化合物をつくる (分析試薬) 。酸化重合させるとカテコールメラニン (不溶性黒色色素) になる。

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百科事典マイペディア「カテコール」の解説

カテコール

1,2−ジヒドロキシベンゼンのことで,ピロカテキン,ブレンツカテキンとも。無色の結晶。融点105℃,沸点245℃。水,エタノールなどに可溶。写真現像液などに用いられる。ο‐クロルフェノールのアルカリ性水溶液の加熱などにより得られる。(図)

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世界大百科事典 第2版「カテコール」の解説

カテコール【catechol】

1,2‐ジヒドロキシベンゼンのことで,ピロカテキンpyrocatechine,ピロカテコールpyrocatechol,ドイツ語でブレンツカテキンBrenzcatechinなどともいう。カテキュー(阿仙薬)の乾留の際発見されたので,この名で呼ばれる。リグニンやカテコールタンニンなどの天然色素に誘導体として存在し,それをアルカリ融解すると得られる。コールタールおよび石炭乾留ガス液中にも少量見いだされる。

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