カーボンブラック(英語表記)carbon black

翻訳|carbon black

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カーボンブラック
carbon black

天然ガスや石油などの不完全燃焼熱分解により得られる炭素微粉。製法によって粒子の大きさは違うが,1~500nmの粒子直径のものである。印刷インキ,塗料,カーボン紙などのほか,最も大量に使われるのはゴム製品の耐油性,耐熱性などを増すための増強剤としてである。黒鉛と混ぜて乾電池にも使われる。

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百科事典マイペディアの解説

カーボンブラック

非常に細かい(3〜500nm)黒い無定形炭素の粉末。炭化水素や油脂の不完全燃焼や熱分解で得られる。(すす)や油煙もこの一種。炭素が主成分であるが,わずかに気体,液体,または固体が吸着している。ゴム製品(タイヤ用が約80%)やプラスチックの補強剤,印刷インキ,塗料,カーボン紙などの黒色顔料として用途が広い。
→関連項目ゼログラフィーニューカーボン墨汁無定形炭素油煙

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世界大百科事典 第2版の解説

カーボンブラック【carbon black】

無定形炭素の直径3~500nm程度の黒色粉末。水にぬれにくく,比重1.8~1.9。見かけ比重は,粒で0.35~0.4,粉末で0.04~0.08。炭化水素を熱分解して作るが,製法,製造条件などの違いによって,きわめて多様な製品となる。いずれの方法でも,原料の炭化水素を800℃以上の高温で数ミリ秒の短時間で炭化する。基本になる結晶構造は,平均10~30Åの芳香族平面分子が数層集まった乱層構造をなす結晶子で,これが複雑に集合して球状粒子となり,さらに結合して鎖状集合体(ストラクチャー)となる。

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大辞林 第三版の解説

カーボンブラック【carbon black】

天然ガス・石油・木材などの不完全燃焼または熱分解によって得られる炭素の微細な粉末。黒色顔料として墨・印刷インクなどの原料に用いるほか、乾電池や生ゴム強化用の添加剤などに用いる。油煙墨。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カーボンブラック
かーぼんぶらっく
carbon black

いわゆる煤(すす)のことである。古代からもっとも身近にある優れた黒色の粉体で、インキ、墨、絵の具に用いられてきた。20世紀になり、ゴムの補強剤として認められ、ゴム工業の発展とともに、カーボンブラックの製造も盛んになった。このような用途のほか、ポリマーの耐候性劣化防止、電導性向上を目的とした用途、あるいは炭素材に使用されている。カーボンブラックは、炭化水素が熱分解あるいは不完全燃焼することにより生成する。したがって製法は、熱分解法と不完全燃焼法とに大別される。
 カーボンブラックは、グラファイト型構造の炭素六角形の網目の層が3~5層重なり、これが鎖状に連なった構造(これをストラクチャーという)をしている。この層にはカルボキシ基(カルボキシル基)、ヒドロキシ基、カルボニル基などの基が存在するものもある。カーボンブラックの物性を支配する三つの要素は、粒子径、ストラクチャーと表面の性質(pH、揮発分)である。粒子径は通常10~500ミリミクロン、粒子径が小さいほど黒の色調が強く、着色力も大きい。ストラクチャーはジブチルフサレート(DBP)の吸着量により測定でき、各種バインダーへの配合性、粘度などのほか黒の色調にも影響する。表面の酸化の状態は、水でスラリーをつくり、そのpHを測定し、7以下の場合、酸化を受けているとされる。表面の状態は、各種ワニス類との親和性、インキの流動性、塗料の安定性に影響する。[大塚 淳]

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精選版 日本国語大辞典の解説

カーボン‐ブラック

〘名〙 (carbon black) 炭素の黒色微粉末。天然ガス、アセチレンナフタリンなどを不完全燃焼、または熱分解して作る。古くから墨の原料として、松煙、油煙などから採取された。ゴム配合剤、印刷インクや塗料などの充填剤、乾電池などに用いられる。

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世界大百科事典内のカーボンブラックの言及

【ゴム】より

…補強性充てん剤はゴムの耐摩粍性,引張強さなどの機械的性質を高める効果をもつ。この代表的なものがカーボンブラックで,補強効果も抜群である。カーボンブラックにも多くの種類があり,その製法や原料によって粒径,表面積が異なる。…

【炭素】より


[製法・用途]
 工業的に各種炭素製品がつくられており,原料としては石炭,石油,天然ガス,天然黒鉛などが普通に用いられるが,目的に応じて合成高分子なども用いられる。無定形炭素としては,カーボンブラックと活性炭が最も多くつくられる。カーボンブラックは自動車のタイヤなどをはじめとして各種ゴムの充てん剤として多く用いられ,また印刷インキとして用いられるが,主として天然ガスあるいは石油の不完全燃焼によってつくられる。…

※「カーボンブラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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