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カーライル Carlisle, John Griffin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カーライル
Carlisle, John Griffin

[生]1835.9.5. ケンタッキー
[没]1910.7.31.
アメリカの法律家政治家。 1871年ケンタッキー州副知事。連邦下院議員 (1877~90) ,83年以降下院議長をつとめ,関税改革に活躍し,93~96年財務長官に就任

カーライル
Carlyle, Thomas

[生]1795.12.4. アナンデール,エクルフェカン
[没]1881.2.5. ロンドン
イギリスの著述家,歴史家。石工の息子から身を起し,エディンバラ大学に学ぶ。学校教師を経て文筆を業とし,ドイツ文学を研究,ゲーテに傾倒。宗教的懐疑や,産業主義がもたらす社会問題に悩んだが,ドイツ哲学の影響によって煩悶から抜け出し,超越論的観念論の立場をとるにいたった。ビクトリア朝思想界の一方の雄。エマソンとの交友も有名。主作品『衣装哲学』 Sartor Resartus (1833~34) ,『フランス革命』 The French Revolution (37) ,『英雄および英雄崇拝』 On Heroes,Hero-Worship,and the Heroic in History (41) ,『フリードリヒ大王伝』 The History of Friedrich II of Prussia,Called Frederick the Great (58~65) など。

カーライル
Carlisle

アメリカ合衆国,ペンシルバニア州南部の都市。州都ハリスバーグの西約 30kmのカンバーランドの谷にある。地名はイギリス北西部の県名とその県都名に由来する。定住開始は 1720年,初期にはインディアンとの紛争が多かった。 18世紀後半には,中西部に向う多くの遠征隊の出発地となった。産業としては,敷物,絨毯,タイル,タイヤ,鋼鋳物,ラジオ部品,紙,繊維,衣料などの製造工業がある。人口1万 7492 (1990) 。

カーライル
Carlisle

イギリスイングランド北西部,カンブリア県の県都。周辺を含めてカーライル地区を構成する。ロンドンの北北西約 430km,スコットランドとの境界近くにあり,イーデン川下流部に臨む。ローマ時代にハドリアヌス長城の西端を守る要塞の近くに形成された集落に始まる町で,4世紀にローマ人に放棄されたのちしばしば領有が変わったが,12世紀半ばイングランド領となり,イングランド北西部の戦略の要地として発展。18世紀末から綿織物工業が発達。ほかに,食品,製菓,機械などの工業がある。1830年代に鉄道が通じて以降,交通の要地でもあり,鉄道,道路が放射状に延びている。風光明媚なレークディストリクト(湖水地方)への入口。地区面積 1040km2。地区人口 10万3500(2004推計)。都市人口 7万1733(2001)。

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デジタル大辞泉の解説

カーライル(Carlisle)

英国イングランド北西部、カンブリア州の都市。同州の州都。スコットランドとの境界に近く、古代ローマ時代にハドリアヌスの長城が築かれたほか、スコットランドとの抗争が繰り返され、軍事上の要衝地であった。スコットランド女王メアリー=スチュアートが幽閉されたカーライル城や12世紀に建てられたカーライル大聖堂など、歴史的建造物が多く残っている。

カーライル(Thomas Carlyle)

[1795~1881]英国評論家歴史家ロマン主義立場から、功利主義批判。英雄的指導者による社会の改革、人間性の回復を主張した。著「衣装哲学」「フランス革命史」「過去と現在」など。

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百科事典マイペディアの解説

カーライル

英国,イングランド北部,ソルウェー湾に近いカンブリア州の州都。道路,鉄道交通の中心で,紡績,製鉄などの工業もある。ローマ時代のブリタニア支配の基地で,中世にはスコットランドに対する防衛の城塞(じょうさい)であった。
→関連項目ハドリアヌスの壁

カーライル

英国の歴史家,評論家。スコットランドの厳格なカルバン派の石工の家に生まれ,牧師になるつもりでエディンバラ大学にはいったが果たさず,教員をしたのち法律を学んだが弁護士にはならず,文筆生活にはいった。
→関連項目キャメロン土井晩翠

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世界大百科事典 第2版の解説

カーライル【Carlisle】

イギリス,イングランド北西部,カンブリア州の州都,商工業都市。人口10万3000(1993)。ローマ人の居留地に始まり,ローマの撤退後はその地理的位置ゆえにイングランドとスコットランドの間で争奪の対象となったが,1092年ウィリアム2世が城壁を築き,以後イングランドの北部防衛上の拠点として発達した。12世紀に自治都市としての勅許をうけ,主教座聖堂も建立された。19世紀以降は鉄道網の中心となり,綿工業によって栄えた。

カーライル【Thomas Carlyle】

1795‐1881
イギリスの思想家,歴史家。スコットランドの寒村に生まれ,苦学しながら牧師を志してエジンバラ大学に学んだが,宗教的懐疑に陥り,ゲーテを耽読して懐疑主義を脱したことから文筆の道を志すこととなった。《ウィルヘルム・マイスター》を翻訳,その他ドイツ文学の紹介を雑誌に寄稿していたが,1833‐34年,自己の思想的立場の宣明である《衣装哲学》を雑誌に発表。奇想に富むこの作品はなかなか理解されなかったが,ロンドンに出て書いた大作《フランス革命史》(1837)は色彩豊かで生動する叙述により大好評を博した。

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大辞林 第三版の解説

カーライル【Thomas Carlyle】

1795~1881) イギリスの評論家・歴史家。ゲーテらのドイツ-ロマン主義文学に傾倒、自由放任主義や功利主義を批判、社会の混迷を正義と力で救う英雄の出現を説いた。著「英雄および英雄崇拝」「衣裳哲学」「フランス革命史」「過去と現在」など。

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世界大百科事典内のカーライルの言及

【衣装哲学】より

…イギリスの思想家カーライルの哲学的・風刺的散文作品。1833‐34年雑誌に連載され,アメリカで36年,イギリスで38年に出版された。…

【英雄崇拝】より

…イギリスの思想家カーライルの哲学的・伝記的論説。1840年6回の連続講演として公にされ,41年出版。…

【クロムウェル】より

… クロムウェルに対する評価は,その死後1世紀ほどは,悪人,野心的偽善者として芳しくないものであったが,19世紀大英帝国の確立とともに,専制君主への抵抗,対外積極政策,ピューリタニズムの諸点で再評価されるようになった。日本においては彼の生涯と業績は,主としてカーライルの《クロムウェルの書簡と演説》(1845)などを通して伝えられ,国王を処刑した〈ピューリタンの英雄〉として,明治時代の一部の知識人の生涯に決定的ともいえる影響を及ぼした。広範な社会活動を展開した小説家木下尚江の出発点には,松本中学の歴史の教室でのクロムウェルとの出会いがあったし,また教育勅語の発布を契機に起こった〈内村鑑三不敬事件〉(1891)の背後には,カーライルの書物を愛読した内村のクロムウェルへの傾倒があり,その後も内村はしばしばクロムウェルの生涯を論じている。…

【トランセンデンタリズム】より

…彼らの討論会が〈超越クラブTranscendental Club〉と報道され,この言葉が彼らの思想の名称となった。超越という言葉はカント哲学に由来し,したがって広くドイツ観念論哲学に関係するが,エマソンらのグループではヘッジだけが直接ドイツ観念論に通じており,他はイギリスのS.T.コールリジとT.カーライルの文章を通して観念論に接した。超越主義は悟性や経験を超越して直観によって真理を把握すべきであるという主張を基盤としていた。…

【民主主義】より


[伝統的価値観の反撃・対応]
 これらの運動は,いずれも民主主義とともに正義を唱えて大衆の政治参加を強く主張し,普通選挙権を求める点で一致していたが,こうした具体的要求を掲げた労働者の戦闘性は,単に支配層ばかりでなく伝統的な価値観一般に対しても深刻な衝撃を与えずにはいなかった。たとえばイギリスで,T.カーライルは,産業化による都市労働者の物質的・精神的貧困に深い同情をもちながらも,大衆の自治能力をどうしても信じられず,チャーチズムを批判して〈民主主義によってかち取られるものは空虚以外の何物でもなく〉,また普通選挙権とは〈国家的おしゃべり大会に討論選手の2万分の1を送り出す権利〉にすぎないとして,大衆にとって真に必要なものは精神的にも物質的にも力ある貴族の指導であるとした。産業化が破壊した古き良き社会と従順な民衆を愛して民主主義に反対したのは,C.ディケンズも同じであった。…

※「カーライル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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