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クック諸島 クックしょとう Cook Islands

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クック諸島
クックしょとう
Cook Islands

太平洋中部,南緯8°~23°,西経156°~167°にある島群。ニュージーランド自由連合協定を締結している。15の小さな環礁と島からなり,南北二つの島嶼群に分かれる。南部はラロトンガ島アイトゥタキ島マンガイア島,アティウ島,マウケ島,ミィティアロ島などの島々で,人口の約 90%が住み,果樹栽培が主産業。

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デジタル大辞泉の解説

クック‐しょとう〔‐シヨタウ〕【クック諸島】

Cook Islands》南太平洋、ポリネシア南部にある島国。北部7島、南部8島からなる。首都は南クック諸島ラロトンガ島アバルア。1773年にJ=クックが訪れた。その後、英保護領となったが1901年ニュージーランドに編入。1965年に独自憲法を制定し、軍事など以外の自治権を得た。2011年に日本が国家承認。人口2.2万(2010)。

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百科事典マイペディアの解説

クック諸島【クックしょとう】

◎正式名称−クック諸島Cook Islands。◎面積−235km2。◎人口−1万5000人(2011)。◎首都−アバルアラロトンガ島)。◎住民−ポリネシア人
→関連項目ポリネシア

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大辞林 第三版の解説

クックしょとう【クック諸島】

南太平洋に散在する火山島と珊瑚礁さんごしようからなる島嶼とうしよ群。主島はラロトンガ島。ニュージーランドの自治領。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クック諸島
くっくしょとう
Cook Islands英語
Kki 'iraniマオリ語

南太平洋のサモアタヒチの中間地点に位置するポリネシアの群島国家。国土面積237平方キロメートルは、鹿児島県徳之島の広さに相当する。人口は2万2600(2009年、クック諸島統計局)で、ニュージーランドとの自由連合国。首都は南クック諸島のラロトンガ島(67平方キロメートル)のアバルアで、人口の約半分がこの島に住む。[小林 泉]

自然・地誌

国土は六つの環礁からなる北クック諸島(北グループ)と火山島、環礁島が入り交じる9島の南クック諸島(南グループ)からなる。首都アバルアがある南クック諸島のラロトンガ島は楕円(だえん)形の島で周囲は32キロメートル。中央に海抜652メートルのテ・マンガ山を最高峰に400~500メートルの山々が連なり、島の周囲は白い砂浜に囲まれている。山と砂浜が広範囲に及ぶこうした景観は、太平洋島嶼(とうしょ)といえどもさほど多くはない。リゾート地として名高い。これに次ぐ第二のリゾート地として開発されたのは、ラロトンガ島の北に位置する、三角の環礁に囲まれたアイツタキ島(18平方キロメートル)である。
 クック諸島は熱帯海洋性気候であるが、南部の島々は南緯21度以上に位置するので、冬にあたる6月~8月はかなり涼しい。住民は90%がポリネシア人で、ニュージーランドのマオリはこの島から渡ったと語り継がれている。そのほかは白人との混血やニュージーランド人、周辺諸島人などである。諸島外への移民も多く、ニュージーランドには国内人口の3倍以上のクック人コミュニティが形成されている。自由連合関係により、国民はニュージーランド国籍も所有できるからである。そのため、とくに離島では過疎化が進み、空き家が目だつ。ラロトンガ島に暮らす人々の日常も、ほとんどポリネシアの伝統的生活方式が消えて西洋化している。[小林 泉]

歴史

記録では、1595年にスペインのアルバロ・デ・メンダーニアが北クック諸島のプカプカ島を「発見」。1773年から1779年には、イギリス人ジェームズ・クックが南クック諸島の島々を調査した。1800年代初頭、ロシア海軍はこの地域の島々を「クック諸島」という名で海図に書き込んだ。偉大な航海者クックへの敬意の表明であった。1821年にロンドン伝道協会の宣教師ウイリアムがアイツタキ島に上陸して布教を始めてから、キリスト教が諸島一帯に一気に広まった。
 1888年にイギリスが属領とし、1901年にニュージーランドが統治を引き継いだ。1965年にはニュージーランドとの自由連合関係の下に自治権を獲得。2001年に両国首相の共同宣言で、クック諸島が主権独立国家として外交を行うことを表明した。[小林 泉]

自由連合の政治地位

クック諸島とニュージーランドとの自由連合関係とは、クック諸島が軍事、安全保障の実行権と外交権をニュージーランドにゆだね、内政自治は自ら行うというものである。自由連合という名称は、どちらか一方の都合でいつでも解消できる「自由」があることに由来する。そのためクック諸島は自治領として扱われ、国連でも独立国として扱われていない。しかし、主権行為を徐々に拡大させ1970年代には地域国際機関に加盟、1980年代には世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)の正式加盟国になった。さらに2001年には、二国間外交を積極的に展開することの合意をニュージーランドから得て、2011年時点では外交関係樹立国を、EU(ヨーロッパ連合)を含めて28か国まで増やしている。[小林 泉]

政治

政体は立憲君主制で、イギリス女王(国王)が国家元首。行政は議院内閣制で、首相が自らを含めて6名の内閣を組織する。議会は一院制で議席数24。2004年9月の総選挙からこれまで5年であった任期を4年に短縮した。
 自治政府の発足後、政党は分裂や離合集散が繰り返されてきたが、近年では政府発足時に結成されたクック諸島党と1971年に結成された民主党の二大政党間で政権を争う形が続いている。国外への人口流出や都市部への人口集中によって、伝統的な社会構造の維持や部族間の対立意識は希薄になっており、政党間の争点は経済問題と対外関係問題である。中国とも外交関係を結び、借款、無償ともに多額の援助を受けている。[小林 泉]

経済・社会

国家財政など、基本的にはニュージーランドに依存している。しかし、ラロトンガ島、アイツタキ島を中心にした観光業を主に、輸出産品としてカツオ、マグロなどの鮮魚や黒真珠があり、農業生産による商品作物もある。ラロトンガ島は、美しいビーチ景観を利用して島全体がリゾート開発されており、高級なコテージ型ホテルを主にした宿泊施設が充実している。オーストラリアやニュージーランドばかりではなくヨーロッパからも客を引き寄せ、年間観光客数は9万人を超えている。
 国連統計による国民1人当りGNI(国民総所得)は9749ドル(アメリカ・ドル、2009年)であるが、別のデータでは1万ドルを超える数字もあり、中進国の水準に達している。しかしその分、首都と離島との経済格差が広がり、これが首都への人口集中や国外への転出者が相次ぐ原因になっている。使用通貨はニュージーランド・ドル。
 言語はマオリ語と英語がともに公用語として使われている。宗教はキリスト教が大半を占め、プロテスタントがおよそ70%で、そのほかはカトリックである。
 暮らしのなかでの伝統文化は薄れたが、打楽器の多重奏による伝統舞踏は引き継がれている。それはタヒチと並び称されるほど魅力的で、クック・ダンスとして太平洋各地で親しまれている。
 教育はニュージーランドの制度を取り入れており、初等教育は8年制、中等教育は前期2年、後期3年の5年制になっている。教育言語は初等後期から完全に英語に移行する。ハイスクールの修了後は、国内に看護師や教師の養成コースを備えた短期大学があるが、ニュージーランドの大学に進学する者も少なくない。[小林 泉]

日本との関係

日本からは遠いため、日本人観光客は少ない。近年では、鮮魚は黒真珠のほか、パパイヤ、ノニジュース(熱帯植物ノニの果汁)などの農作物が日本へ輸出されている。
 これまでの日本政府は、クック諸島を太平洋諸島フォーラム(PIF)の一加盟国としての交流を続けてきており、正式にはニュージーランドの自治領としての扱いで二国間の外交対象国としてこなかったが、2011年(平成23)3月にクック諸島を国家として承認した。日本にとって193番目の外交関係樹立国となった。日本政府の公館はなく、在ニュージーランド日本大使館が兼轄している。2008年までの累積で8.27億円のODA(政府開発援助)が供与されている。[小林 泉]
『近森正編著『サンゴ礁の景観史――クック諸島調査の論集』(2008・慶応義塾大学出版会)』

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