コロタイプ(英語表記)collotype

翻訳|collotype

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コロタイプ
collotype

高級写真印刷法の1種。特に美術印刷に最適。厚板ガラスに下引き液を塗布,ゼラチン感光液 (ゼラチン,二クロム酸アンモニウム,クロム明礬など) を引き,乾燥箱に入れて 45~55℃で乾燥。これに反転した写真ネガと合せ焼付ける。このとき特有の小皺ができる。次にガラス板の裏側のふたをはずして 30~40秒露光して焼く。水洗いして乾かし,膜を固定させる。この膜面をグリセリンと水で湿らせると,小皺が水を吸ってふくれ上がり,その度合いがいろいろの調子をつけ,印刷インキをつけると,そのふくれ具合に応じてつきが違ってくる。小皺は肉眼で見えないくらいに微細なので,細部の階調がよく出るうえ網目がないので,写真のように仕上がる。印刷にはコロタイプ印刷機とコロタイプ用のインキを使用する。印刷部数の限界は 2000~3000枚ほどで,印刷機は平台印刷機だけしか使用できない。カラー・コロタイプは印刷のなかでも最も忠実な印刷法で,特に絵画複製に使用。

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百科事典マイペディアの解説

コロタイプ

写真製版法で最も早く(1868年)実用化された印刷版。アートタイプartotypeまたは玻璃(はり)版とも呼ぶ。ガラス板にゼラチン,重クロム酸アンモニウムを主剤とした感光液を塗って焼き付け,乾燥させたものを版とする。このゼラチンは感光の程度によって水の吸収度が異なるため,ちりめんじわができ,その凹所にインキを付着させて印刷する。濃淡を点の大小や深浅に分解する他の写真製版法とは異なり,きめの細かい自然の階調が得られる。ゴムシリンダーをつけると数万部の印刷も可能。
→関連項目巧芸画

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世界大百科事典 第2版の解説

コロタイプ【collotype】

アートタイプartotypeあるいは玻璃(はり)版ともいわれる印刷版の一種。写真の理論を利用して版を作るいわゆる写真製版法は,各種の版の製作に利用されるが,コロタイプはその中でももっとも早く1870年代にドイツのアルベルトJ.Albertによって実用化された版で,日本でも89年ころから知られている。日本では卒業アルバムなどの印刷に用いられ,写真印画と区別のつかないような網点のない印刷として歓迎されていたが,しだいにオフセット平版に代わりつつある。

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大辞林 第三版の解説

コロタイプ【collotype】

平版印刷の一種。厚いガラス板に塗布したゼラチン感光層を版画とした写真印刷法。写真・絵画などの精巧な複製に適するが、大量印刷には適さない。玻璃はり版。アートタイプ。

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精選版 日本国語大辞典の解説

コロタイプ

〘名〙 (collotype) 平版印刷の一種。一八六五年、ドイツのアルバートが発明。ガラス板にゼラチンの被膜をつくり、ネガを焼き付けて製版する。脂肪性のインキを用いて、これを紙に印刷すると、きめの細かいぼかしのある、写真印画と同様の効果が得られる。一版から数百枚しか刷れないので部数の少ない高級美術印刷などに用いられる。アートタイプ。玻璃版(はりばん)
※風俗画報‐二〇三号(1900)広告「新画苑は精巧なるコロタイプを使用し」

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世界大百科事典内のコロタイプの言及

【小川一真】より

…武蔵国忍の出身。1882年アメリカ船に水夫として乗り組んで渡米,ボストンの写真館でカーボン印画法,コロタイプ印刷法などの最新写真技術を習得。帰国後,85年東京市内に写真館〈玉潤館〉を開業し,乾板製造にも着手。…

※「コロタイプ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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