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アメリカ合衆国カリフォルニア州を北北西―南南東に走る長さ1000キロメートル以上の右横ずれ断層。北アメリカプレートと太平洋プレートの境界をなすトランスフォーム断層と考えられている。また、新生代古第三紀漸新世(ぜんしんせい)の活動開始以来、総変位量は300キロメートル以上になるといわれている。
この断層沿いには現在でも活発な地震活動が続いており、1989年のロマプリータ地震(マグニチュード7.1)や1994年のノースリッジ地震(マグニチュード6.8)では高速道路などに大きな被害が出た。地震に伴って現れた右横ずれ断層運動が、地表のオレンジ果樹園でのオレンジの木の並びの食い違いで直接観測されたり、断層に沿って河川が屈曲しているところもある。また地震を伴わず、ゆっくりと地表が右横ずれに運動するクリープ現象も一部で観察されている。
[伊藤谷生・村田明広]
アメリカ,カリフォルニア州のほぼ全域を南北に縦走する,世界でも最も活動的な断層の一つ。北端はメンドシノ岬から南端はカリフォルニア湾まで,長さ1400kmに及ぶ。分岐・並走する副断層群を含めて,サン・アンドレアス断層系とも呼ばれる。右横ずれ断層で,断層運動は白亜紀末ころから始まり,最大変位量は500~600kmといわれる。現世には平均2~4cm/年という大きな速度で運動している。1906年のサンフランシスコ地震の際,延長約430kmにわたり,最大約7mに及ぶ断層変位が地表に現れて有名となり,地震発生における弾性反発説や,活断層という概念を生むきっかけになった。その後も地震の際に一部が活動したほか,地震を伴わずに断層運動が常時進行している部分のあることでも著名。アメリカの地震予知観測網の大部分は,この断層系に集中している。近年,この断層はプレートの境界をなすトランスフォーム断層であることが知られている。
執筆者:垣見 俊弘
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