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ザリガニ Cambaroides japonicus; Japanese crayfish

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ザリガニ
Cambaroides japonicus; Japanese crayfish

軟甲鋼十脚目アメリカザリガニ科 Cambaridae。体長 6cmほどの小型種。頭胸部は円筒形,腹部はやや扁平。北海道南部と東北地方の渓流にすむ日本固有種で,ニホンザリガニとも呼ぶ。太平洋側の南限は岩手県二戸市日本海側では秋田県大館市で,大館市では生息地が国の天然記念物に指定されている。また環境省により絶滅危惧種に指定されている(→レッドデータブック)。ザリガニの名はザリガニ類全体を広義に表現する場合にも使われる。ザリガニ類は,北アメリカとアジア東部に分布するアメリカザリガニ科約 350種,ユーラシア大陸と北アメリカに分布するザリガニ科 Astacidae約 10種,アフリカを除く南半球に分布するミナミザリガニ科 Parastacidae約 150種に分類されている。アメリカザリガニ科ではアメリカザリガニ Procambarus clarkii,ザリガニ科ではヨーロッパザリガニ Astacus astacus やウチダザリガニ Pacifastacus leniusculus,ミナミザリガニ科ではヤビー Cherax destructor,マロン C. tenuimanus,タスマニアオオザリガニ Astacopsis gouldi などがよく知られている。日本では在来の本種のほか,北アメリカ原産のアメリカザリガニが本州四国地方九州地方に広く分布するほか,ウチダザリガニが北海道各地と滋賀県に生息している。アメリカザリガニは要注意外来生物,ウチダザリガニは特定外来生物に指定されている。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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百科事典マイペディアの解説

ザリガニ

甲殻類ザリガニ科のエビ。日本固有種で東北地方から北海道日高山脈以南の河川に産する。甲殻は堅くて厚く,額角は短く,横扁し,背面からみると幅の広い剣先状をなす。第1〜3胸脚ははさみ状で,第1胸脚は特に強大。色は全体に茶色で,体長は4〜6cmくらい。食用にもなる。分布域が狭く,種の存続があやぶまれている。ザリガニの名は,腹部ではねて後退する(後方に去る)習性による。アメリカザリガニをザリガニということもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ザリガニ
ざりがに / 蛄・躄蟹
[学]Cambaroides japonicus

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目ザリガニ科に属する1種。北海道日高山脈から東北地方にかけての渓流にすむ日本固有種。太平洋側の南限は岩手県二戸(にのへ)市、日本海側は秋田県大館(おおだて)市で、とくに大館市の南限地は1934年(昭和9)に国の天然記念物に指定されている。体長約6センチメートルの小形種で、頭胸甲は円筒状。額角(がっかく)は短く、背面から見ると幅広い剣先状。ごく近縁の種が朝鮮半島と中国から1種ずつ知られているが、いずれも分布が局限されている。このような分布状態はザリガニ属3種が遺存種であることを示す。
 日本各地でザリガニとよんでいるのは、アメリカから1930年に移入されたアメリカザリガニProcambarus clarkiiである。エビガニとよぶ地方も多く、近年は子供たちの間でペットとしての人気が高い。原産地のアメリカ合衆国南東部では食用として養殖も行われている。体長は10センチメートル以上になり、大形個体は朱赤色を帯びる。雌雄は、雄では第1腹肢が交尾器に変形していること、雌では第2胸脚の根元の節に生殖孔が開いているので容易に識別できる。交尾は6月ごろ行われ、引き続き雌は産卵するが、抱卵雌は巣穴からほとんど出ない。卵は長径2ミリメートルほどの卵円形で、400個内外である。ほぼ成体形で孵化(ふか)するが、1回脱皮した第2稚エビまでは尾節糸で雌の腹肢とつながっている。第2回の脱皮で母体と離れ、第3回目までは母親に保護される。孵化直後は体長4.5~5ミリメートルで、1年間に平均9回の脱皮をして約4.5センチメートルになり、6センチメートルになると性的に成熟する。水田や水辺に棒状の穴を掘ってすみ、貪欲(どんよく)な雑食性である。
 日本にはアメリカザリガニのほか、やはりアメリカから食用の目的で移入したウチダザリガニPacifastacus trowbridgiiが北海道に、タンカイザリガニP. leniusculusが滋賀県に生き残っている。ザリガニ類はアフリカ大陸にはいないが、オーストラリアと北アメリカにとくに多く、世界で約750種が知られている。最大種はタスマニアオオザリガニAstacopsis gouldiで、体長45センチメートルに達する。[武田正倫]

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