シマ(読み)しま(英語表記)sima

翻訳|sima

デジタル大辞泉 「シマ」の意味・読み・例文・類語

シマ(sima)

地球内部の、シアルの下の層。地殻玄武岩質層にほぼ相当する。古くはマントル物質をさしたこともある。珪素けいそ(Si)とマグネシウム(Mg)が多いことからいう。

しま

[接尾]
名詞、その他状態を表す語に付いて、そのようなようすであることを表す。さま。
「思はぬに横―風のにふふかに覆ひ来ぬれば」〈・九〇四〉
時日を表す名詞に付いて、早々の意を表す。
「正月―から馬だの牛だのと引き連れて」〈滑・浮世風呂・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「シマ」の意味・読み・例文・類語

しま

  1. 〘 接尾語 〙
  2. 名詞、その他、状態を表わす語に付いて、そのような様子であることを示す。さま。
    1. [初出の実例]「父がかく斯麻(シマ)にあれと念ひておもぶけ教へけむ事」(出典:続日本紀‐天平勝宝元年(749)四月一日・宣命)
  3. 時日を表わす名詞に付いて、早々の意を表わす。
    1. [初出の実例]「いかにおやぢじゃとて、正月しまに叩かしゃるは」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)五)
  4. 動詞の連用形に付いて、そうしながらの意を表わす。
    1. [初出の実例]「いいゑおまへにかわせますと言しまはなをうはそぎにそがれた」(出典:咄本・吟咄川(1773)髪結)

しま

  1. 〘 名詞 〙 傘の中骨のこと。傘の骨と柄をまとめるろくろ
    1. [初出の実例]「唐笠の軒がまはれば、嶋もつれてまわる所をば、不去」(出典:応永本論語抄(1420)為政第二)

しま

  1. 〘 名詞 〙しじま
    1. [初出の実例]「しまと云ふは、しじまなり」(出典:花鳥余情(1472)四)

シマ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] sima ) 大陸地殻の下層部および海洋地殻の主要部を構成する層のこと。玄武岩質でシリコン珪素)とマグネシウムを主成分とするのでこの名がある。玄武岩質層。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマ」の意味・わかりやすい解説

シマ
しま
sima

大陸地殻の下部や海洋地殻の主要部分を構成する層のこと。もともとは、オーストリアの地質学者ジュースケイ素(Si)とマグネシウム(Mg)に富む玄武岩などに対してシアルとともに名づけたものである。のちに、こうした岩石からなるとされる大陸地殻の下部や海洋地殻をさすようになったが、現在この名が使われることはまれで、普通は玄武岩質層とよばれる。大陸移動説が盛んであったころは、現在マントルとよばれる部分に対して用いられたこともある。

[吉井敏尅]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「シマ」の解説

シマ
シマ
sima

地表からおよそ1200 km までの岩石圏は,おもにケイ酸塩からなっている.F.E. SuessとE. Wiechertは,この圏の外側はSiおよびAlに富む岩石からなるとして,その頭字をとりサル(sal)(現在ではシアルとよぶのが一般的)とし,内部はSiとMgに富む岩石からなるとしてシマと名づけた.シマは化学的には玄武岩質,またはMg,Feに富んだ塩基性のケイ酸塩岩石に相当すると考えられており,とくに海洋の深海底はシアルの部分はなく,もっぱらシマからなると考えられている.化学組成については直接の資料はなく,いん石や地表で見られる密度の大きい岩石などから得た知識から推定されている.密度は3.6~4.0 g cm-3 とされ,シアルの2.8 g cm-3 よりは大きい.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

岩石学辞典 「シマ」の解説

シマ

大陸のシアル(sial)の下に横たわる地殻の部分で,明らかに玄武岩組成の岩石で構成されている.シマ(sima)は海洋底にも連続しており,ここではシアルが欠如している[Suess : 1888].シマは組成の意味が含まれているので適当ではなく現在は使われない.現在では下部地殻(lower crust)の語は組成の意味をもっていないので,シマに代わって使用することが薦められている.シフェルナ(siferna)[Schiefer- decker : 1959].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シマ」の意味・わかりやすい解説

シマ
sima

大陸地殻の下半部と海洋地殻をつくる物質の総称。P波の伝播速度が約 6.8km/sの層に相当する。玄武岩質地殻にほぼ等しい。おもにケイ素 Siとマグネシウム Mgを特徴とすることから simaと名づけられた。古くは現在の地殻の下のマントル物質をさしていた。今日では,この語はあまり用いられない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「シマ」の読み・字形・画数・意味

】しま

三ケ月の喪服。

字通「」の項目を見る


麻】しま

大麻。

字通「」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「シマ」の意味・わかりやすい解説

シマ

シアル

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のシマの言及

【琉球】より

…第2に地方統治制度の強化がある。北は奄美諸島から南は先島諸島までの各島を〈間切(まぎり)〉に編成し,その下にシマと称する行政単位を置いた。そして首里大屋子(しゆりおおやこ),大屋子,目差(めざし),掟(おきて)などの役人を配した。…

※「シマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android