スコラ哲学(読み)スコラテツガク(英語表記)scholasticism

翻訳|scholasticism

デジタル大辞泉 「スコラ哲学」の意味・読み・例文・類語

スコラ‐てつがく【スコラ哲学】

スコラ学

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精選版 日本国語大辞典 「スコラ哲学」の意味・読み・例文・類語

スコラ‐てつがく【スコラ哲学】

  1. 〘 名詞 〙 西洋中世の大聖堂修道院の付属学校(スコラ)で研究教授された哲学教会権威を認め、伝統的哲学(特にアリストテレス)を援用して、理性的な教義学体系をつくった。トマス=アクィナス頂点とする。スコラ学。
    1. [初出の実例]「斯く信理を和合すべき者と見る、是れかのスコラ哲学の拠て立ちし根本仮定なり」(出典:理性の権威(1893)〈大西祝〉)

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「スコラ哲学」の解説

スコラ哲学(スコラてつがく)
scholasticism

中世キリスト教神学・哲学の諸体系。スコラは「学校」の意で,大学発生前の諸神学校をさす。その発展は4期に分かれ,第1期は新プラトン主義アウグスティヌス主義の伝統が守られた中世前半にあたる。第2期はカンタベリアンセルム以後のアリストテレス主義の摂取時代で,普遍論争の時期と一致する。この論争をへてトマス・アクィナスによる第3期,スコラ的世界観の確立期に入る。14世紀以後はこの体系の解体期(第4期)に移り,オッカム主義(ウィリアム〈オッカムの〉)などが出てくるが,近世においてもトマス学派(トミズム)はスコラの正統として今日に及んでいる。

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旺文社世界史事典 三訂版 「スコラ哲学」の解説

スコラ哲学
スコラてつがく
scholasticism

キリスト教会教理の体系化をめざした哲学
すべての学問を含みながら,唯一のもの,神につながる点で統一性をもち,ヨーロッパ中世の精神そのものの学問的結晶といえる。典拠はアリストテレスの哲学体系。中心課題は普遍論争および理性と信仰調和にあった。アンセルムス・ボナベントゥーラ・アルベルトゥス=マグヌスらが代表的で,13世紀のトマス=アクィナスがその完成者。

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