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セシウム セシウム caesium

翻訳|caesium

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セシウム
セシウム
caesium

元素記号 Cs ,原子番号 55,原子量 132.90545。 1860年に R.ブンゼンと G.キルヒホフが発見。周期表1族,アルカリ金属の1つ。1価の陽イオンをつくる。鉱石としてはポルサイトがあり,またリシア雲母からリチウムをとるとき副産物として得られる。

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知恵蔵2015の解説

セシウム

ナトリウム、カリウムなどと同じアルカリ金属の一種で、原子番号55の元素である。元素記号はCs。銀白色で非常に軟らかく、融点は約28℃で夏季には室温でも液体になる。1秒の長さはセシウム原子の電子状態が変化する周期を基準にして定義されている。天然に産出するものは安定同位体セシウム133で、国際原子時の基になる原子時計光電管の光電面などに使われる。セシウム137などの放射性同位体は原子炉の核廃棄物として取り出され、医療用や工業用の放射線源として使われる。
セシウムは、1860年に炎色反応元素分析を行う分光分析によって、鉱泉水の中から新しい元素として見出された。分光器によるスペクトルが2本の鮮やかな青い線であったことから、ラテン語の「碧空(へきくう)」にちなんで、その名がつけられた。化学的反応性が非常に高く、わずかな酸素とでも化合して金色を帯びる。この反応性の高さから、真空装置内にわずかに残存する酸素や窒素などの望ましくない気体を取り除くのに用いられる。低温でも、水や氷と熱を伴った爆発的な反応をして、水素を発生し、強塩基性の水酸化セシウムを生じる。
各種の同位体があるが、主なものはウラン核分裂によって生ずるセシウム137である。セシウム137は安定同位体セシウム133と化学的性質には基本的に差はない。しかし、放射能があり、半減期は約30年と比較的長く、崩壊するときにガンマ線を出す放射性同位体である。20世紀中葉の核実験で環境中に大量に放出され、チェルノブイリ原発や福島第一原発の事故でも深刻な土壌汚染を引き起こしている。セシウムは生体内において必須の成分とは認められていないが、カリウムなどの塩類と置き換わって体内に吸収されると考えられるため、セシウムの放射性同位体は内部被曝(ひばく)の原因となる有害物質である。原発事故などによって土壌表層に拡散したセシウム137は、菌類や特定の植物によって濃縮される。また牧草の根などから吸収されて、これを餌とする家畜にも取り込まれる。動物の体内に吸収されたセシウム137は尿や汗などとして比較的速やかに排出されるが、土壌汚染が解決されない限りは繰り返し吸収されて内部被曝が長期にわたり続くことになる。福島第一原発事故では、汚染された稲わらが各地に出荷され、これを食べた肉牛が市場に流通し大きな問題になった。

(金谷俊秀  ライター / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

セシウム(cesium)

アルカリ金属元素の一。単体は銀白色の軟らかい金属で、空気中ではただちに酸化され、水と激しく反応して水素を発生する。炎色反応は青紫色。電気の良導体で、光電管に使用。核分裂によって生じる人工放射性同位体のセシウム137は、半減期30年でバリウム137となってγ(ガンマ)線を出し、人体に有害。元素記号Cs 原子番号55。原子量132.9。

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百科事典マイペディアの解説

セシウム

元素記号はCs。原子番号55,原子量132.9054。比重1.873(20℃),融点28.5℃,沸点690℃。アルカリ金属元素の一つ。1860年ブンゼンキルヒホフが発見。

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栄養・生化学辞典の解説

セシウム

 原子番号55,原子量132.90543,元素記号Cs,1族(旧Ia族)の元素.アルカリ金属の元素で,栄養学的には必須ではない.

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世界大百科事典 第2版の解説

セシウム【caesium】

周期表元素記号=Cs 原子番号=55原子量=132.9054地殻中の存在度=3ppm(41位)安定核種存在比 133Cs=100%融点=28.5℃ 沸点=690℃比重=1.873(20℃)電子配置=[Xe]6s1 おもな酸化数=I周期表第I族に属するアルカリ金属元素の一つ。セシウムの名は,発光スペクトル輝線の青色を意味するラテン語caesiusに由来する。1860年R.W.ブンゼンとG.R.キルヒホフが,ドイツのデュルクハイムの鉱泉水のアルカリ部分から,発光スペクトルによって発見した。

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大辞林 第三版の解説

セシウム【cesium】

1 族(アルカリ金属元素)の一。元素記号 Cs  原子番号55。原子量132.9。銀白色の軟らかい固体金属。アルカリ金属中,反応性は最大。融点は摂氏28.45度。炎色反応は青紫色を示す。光電管の製造に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セシウム
せしうむ
cesium

周期表第1族に属し、アルカリ金属元素の一つ。1860年ドイツのキルヒホッフとブンゼンは、アルカリ金属の発光スペクトルを研究中、デュルクハイム鉱泉水の残留物の中に、青色領域に未知の輝線を示す新しい元素が含まれていることを発見し、ラテン語の青色caesiusにちなんでセシウムと名づけた。その後、1882年にドイツのセッテルベルグC. Setterbergが、シアン化セシウムとシアン化バリウムの混合物を電解することによって金属単体を取り出すことに成功した。[鳥居泰男]

存在

自然界に広く分布し、他のアルカリ金属に伴って産出するが、その量はきわめて少ない。鉱物としてはポルサイトCaAlSi2O6やロジサイトなどがあるが、紅雲母(べにうんも)、緑柱石、カーナル石などにも含まれる。鉱泉や温泉(わが国では有馬(ありま)温泉など)にも含まれることがある。[鳥居泰男]

製法

酸化物、水酸化物、塩化物、各種塩類たとえばクロム酸セシウムなどを、ナトリウム、アルミニウムなどの金属類、ケイ素などで還元して蒸気として取り出し、凝縮させる方法が一般に行われる。なかでも無水塩化物を真空中700~800℃で金属カルシウムで還元する方法が優れている。[鳥居泰男]

性質

銀白色の軟らかい金属で、融点が低いため常温付近で液状を呈することもある。化学的活性がきわめて大きく、たとえば、水和イオンとなる傾向の尺度である標準電極電位はあらゆる金属中もっとも大きい。酸素や水と激しく反応するので、金属ナトリウムのように石油中に保存することをせず、アンプル中に不活性気体とともに封入しておく必要がある。水と反応すれば水酸化物を与える。通常、1価の陽イオンとして化合物をつくる。炎色反応は青紫色である。[鳥居泰男]

用途

金属セシウムは光照射によって電子を放射しやすいので光電管の材料として用いられる。質量数137(半減期30年)の放射性同位体は核分裂生成物の一つとして原子炉の中で生成され、核燃料再処理の副産物として得られるが、γ(ガンマ)線源、トレーサー、放射能標準として利用される。[鳥居泰男]

人体への影響

セシウムはカリウムと化学的性質がよく似ている。飲食物、空気などから人体に入ったセシウム137は、カリウムと挙動をともにし、筋肉などに集まる。体外への排出の速度は大きいが、娘核のバリウム137(半減期2.6分)がγ線を放出するので、その影響は全身に及ぶ。とくに生殖器官に対する遺伝的影響が重大視されている。[鳥居泰男]

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