イギリス,イングランド南部,ウィルトシャー南東部の都市。旧称はニューサラム New Sarum。サウサンプトンの北西約 35km,エーボン川とその支流のワイリー川の合流点に位置する。市の北郊オールドサラムに築かれたローマ人の町ソルビオドゥヌム Sorbiodunumに始まり,サクソン人(ザクセン人)のもとで重要な町に発展。11世紀後半ノルマン人によって城が建設され,1075年には司教座が置かれたが,まもなく城主と司教の抗争が激化し,ローマ教皇から司教座を移す許可を得て,1220年新しい大聖堂が建設された(→ソールズベリー大聖堂)。今日の町はこの大聖堂のまわりに発展したもので,中世には羊毛・毛織物工業で繁栄,のち刃物類の製造で知られるようになった。農業地帯の集散地で,家畜・家禽市場があるほか,機械,ビール醸造,皮革,印刷などの工業が立地する。市街中心部には中世の町並みが保存され,また市の北北西約 13kmには考古学上重要な先史時代の遺跡ストーンヘンジなどがあるため,観光業も重要な産業となっている。人口 4万3355(2001)。
ソールズベリー Salisbury, Harrison Evans
[生]1908.11.14. ミネソタ,ミネアポリス [没]1993.7.5. ロードアイランド,プロビデンス アメリカのジャーナリスト,著述家。ミネソタ大学卒業後,UP通信に入りシカゴ,ニューヨーク,ロンドン,モスクワなどの支局を回った。 1949年にニューヨーク・タイムズに移り,モスクワ支局長を5年間務め,1955年にはソ連に関連する一連の記事でピュリッツァー賞 (国際報道部門) を受賞。帰国後,編集次長 (1964~72年) ,副編集長 (1972~74年) を歴任し,1970年から 1973年まで,特集ページの編集長を務めた。 1971年にはアメリカ国防総省が,ベトナム戦争の深刻化要因とその経過をまとめた秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」 Pentagon Papersを暴露する記事の掲載を編集トップの一人として承認して大きな反響を巻き起こした。中国,ソ連の専門家としても知られ『途上のロシア』 Russia on the Way (1946) ,『攻防 900日 包囲されたレニングラード』 The 900 Days: The Siege of Leningrad (1969) ,『ニュー・エンペラー』 The New Emperors: China in the Era of Mao and Deng (1992) などの著書を残している。