タレント(英語表記)talent

翻訳|talent

精選版 日本国語大辞典 「タレント」の意味・読み・例文・類語

タレント

〘名〙 (talent)
才能。特に芸術上・学術上の才能。才幹
社会百面相(1902)〈内田魯庵女学者「お幹さんのやうな才識(タレント)の無い人が如何程の月給が取れるものか」
② 才能・特技を持つ人。現在では芸能人、特に「テレビタレント」のようにテレビ売れっ子の意で用いることが多い。さらに広く、文化人芸術家などを含めてもいう。→タラント
※カラー・テレビの旋風(1956)〈室谷邦夷〉カラー・テレビの旋風「テレビの事業が進展して、軌道に乗るとともに、まずタレント(芸能人)がそのほうにとられ」

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デジタル大辞泉 「タレント」の意味・読み・例文・類語

タレント(talent)

才能。素質。技量。「音楽タレントがある」
芸能人。特に、テレビ・ラジオ番組に出演する歌手俳優司会者や文化人など。「テレビタレント」「人気タレント
タラント
[類語](2役者俳優芸人演者女優男優女形性格俳優・喜劇俳優・立役者千両役者・大部屋俳優・大根大根役者二枚目三枚目

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改訂新版 世界大百科事典 「タレント」の意味・わかりやすい解説

タレント
talent

本来は才能,人材を意味する言葉であるが,転じて放送用語として,放送への出演を職業とする人々を指すようになった。放送専門の芸能人の誕生は,1932年NHK東京中央局が琵琶,清元,漫談その他の10種目に新人を募集,19名がデビューしたことに始まる。マイクテストに3回合格した者が職業芸能人としてランクされた。41年には〈放送劇団〉の第1期生が公募され,加藤道子,巌(いわお)金四郎ら31名が合格した。放送劇団は,声だけでの演技を求められるラジオ放送のための専門劇団として設立されたもので,第2次大戦後〈声優〉の名で呼ばれる人たちの多くがこの養成所から育った。黒柳徹子,横山道代,幸田弘子らもここの出身である(第5期生からはテレビ放送向けの養成もなされた)。タレントという呼び名が生まれるのは,51年の民放ラジオ発足後であり,さらにそれが日常語として定着するのは,53年のテレビジョン本放送開始後である。現在ではタレントといえば,テレビタレントのことを指すのが普通である。

 タレントは,その前身ともいえる職業芸能人をうけついで,芸能人的性格を色濃くおびるが,出身は一様でなく,アナウンサーや放送作家からの転身をはじめ,作家,学者,新聞記者らの兼業,さらに歌手兼俳優など,タレントはその職業を超えて,視聴者たちと同時代を呼吸する自己の〈素顔〉を提示する。その演技力にもまして,日常人としての存在感がタレントの要件である。視聴者はブラウン管に映る彼らの虚像の〈向こう〉に,植木等や青島幸男らの実像を求める。タレントはブラウン管にその顔や姿を映し出すとき,そこに彼ら自身の,同時代への見識や感じ方を提示しなければならない。その虚実の交錯にタレントのすぐれて現代的な性格があり,またそのことでタレントは,テレビジョンの機能を活性化する。
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世界大百科事典(旧版)内のタレントの言及

【度量衡】より

…小麦180粒の質量で決めた単位の呼名は,シェケルshekel,シクルsicle,シクルスsiclusなどと地域により異なり(聖書の邦訳ではシケル),実体も8~11gほどの幅を示していた。そして,このシェケルの倍量としてタレントtalent,ミナmina(またはミネmine)という単位が使われたが,近代西欧の衡であるポンドやキログラムも,どこかでミナの跡を引いているといわれる。それはともかくとして,イギリスの伝統的な単位グレインgrain(日本ではグレン,ゲレーンともいう)は文字どおり穀粒によるものであり,古代インドの衡の一つであるグーニャguñjaも,ある種の豆(一説ではトウアズキabrus precatorius)の種子によるものと解されている。…

※「タレント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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