デジタル大辞泉
「三枚目」の意味・読み・例文・類語
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さんまい‐め【三枚目】
- 〘 名詞 〙
- ① 枚数が三番目に当たること。また、そのもの。
- [初出の実例]「西づめより三牧目(さんマイメ)の板をもとめ、是を大黒に刻ませ、信心に徳あり」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)二)
- ② ( 江戸時代、芝居小屋に掲げられた番付の三番目に名がしるされたところからいう ) 演劇、映画などでこっけいな役をつとめる者。道外方(どうけがた)。道化。ちゃり。→二枚目。
- [初出の実例]「今では三枚目の芸が熟して、一座になくてならぬ人になってゐた」(出典:大川端(1911‐12)〈小山内薫〉二)
- ③ こっけいなことを言ったり、したりする人。道化者。
- [初出の実例]「負ん気な、傲倨な足立だが、一旦自分を三枚目に落して了ふと、また易く他愛のない、ぐうたら然としたまねも出来た」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉夏霜枯)
- ④ 相撲の番付で、前頭・十両などの三番目にあたること。また、その者。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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三枚目 (さんまいめ)
歌舞伎の道化役の通称。江戸時代,劇場の表看板の道化役の位置が多く三枚目にあったために,この通称が生まれた。本来は〈道外方(どうけがた)〉という役柄で,それをつとめる俳優をもいう。《源氏店》の番頭藤八,《忠臣蔵》の鷺坂伴内(さぎさかばんない),《寺子屋》の涎(よだれ)くりなどが代表的な役。役としては脇役であるが,それぞれ重要な見せ場をもつ。ほかに,滑稽な敵役を〈三枚目敵(さんまいめがたき)〉と呼ぶ。
執筆者:渡辺 保
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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三枚目【さんまいめ】
歌舞伎用語。俳優の役柄のうち,滑稽(こっけい)な役,またはこれを専門とする俳優のこと。道外方(どうけがた)とも。昔の番付や看板では,この種の俳優の名を初めから3枚目に置くのが慣例だったためこの名がある。現在では広く演劇・映画に使われ,日常語でも滑稽な人物の意味に使われている。また三味線音楽では第3番目に並んでいる演奏者のことをいう。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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三枚目
さんまいめ
歌舞伎(かぶき)用語。道化方(どうけがた)の別称。転じて日常でも、滑稽(こっけい)な人物をさす一般語として使われる。色男(役)を意味する二枚目の語源と同じで、江戸中期の京坂の顔見世番付、および劇場の正面に掲げた表八枚の看板で、右から3枚目に道化役専門の役者の名前を記した慣例によるという。
[松井俊諭]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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三枚目
さんまいめ
邦楽用語。第3席の演奏者。特に,二丁三枚を原則とする (今日では劇場拡大により,三丁四枚のことも多い) 豊後三流 (常磐津節,富本節,清元節) では,三枚目は語り手の末席ではあるが,高い声域 (甲) の部分を分担する重要な役。
三枚目
さんまいめ
演劇用語。滑稽な人物に扮する俳優,およびその役柄。歌舞伎の看板で3枚目に道化役の俳優の名前が書かれたことに由来する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の三枚目の言及
【道外方】より
…[道化](どうけ)の役柄およびその役柄を専門に演じる俳優をいう。〈[三枚目]〉は後世の通称。日本の芸能の伝統的な展開の一方法である〈[もどき]〉によって,初期の歌舞伎では道外方が重要な役目を果たしていた。…
※「三枚目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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