コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

チタン酸バリウム チタンさんバリウムbarium titanate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チタン酸バリウム
チタンさんバリウム
barium titanate

酸化チタンと酸化バリウムから成る化合物で数種類ある。普通は1:1の化合物,酸化チタン (IV) バリウム BaTiO3 をさす。高純度物質はチタニルシュウ酸バリウムを灼熱して製造する。温度により5つの晶系を転移する。キュリー温度は 120℃で,これ以下では強誘電体となる。化学的に安定で,誘電率が大きいので磁器コンデンサとして用いられる。また磁器としても外部電場で分極させると圧電性を示すので,音響機器などの圧電素子としても用いられる。また白色顔料としての用途もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

チタン酸バリウム【チタンさんバリウム】

オルトチタン酸バリウムBa2TiO4とメタチタン酸バリウムBaTiO3があり,後者がよく知られている。無色の結晶性粉末。温度により各種の結晶系をとるが,常温では正方晶系。
→関連項目圧電気強誘電体セラミックスニューセラミックス

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

チタンさんバリウム【チタン酸バリウム barium titanate】

酸化チタン(IV)バリウムともいう。化学式はBa2TiO4またはBaTiO3。前者の式のものをオルトチタン酸バリウム,後者をメタチタン酸バリウムと呼ぶが,実際はBa2+,Ti4+およびO2-から成るイオン結晶(複酸化物)で,TiO44-,TiO32-のような独立の陰イオンは存在しない。後者のほうがよく知られているので,以下これについて述べる。炭酸バリウムと二酸化チタンの固相反応,またはオキサラトチタン酸バリウムBaTiO(C2O4)2・4H2Oのような錯体熱分解によって無色の微結晶として得られ,単結晶として成長させることもできる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

チタンさんバリウム【チタン酸バリウム】

二酸化チタンを炭酸バリウムとともに融解して得られる白色結晶。化学式 BaTiO3 誘電率が大きく、圧電効果を示すので、磁器コンデンサーやマイクロホン・ピックアップなどの音響機器に用いられる。メタチタン酸バリウム。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チタン酸バリウム
ちたんさんばりうむ
barium titanate

チタン酸(酸化チタン()水和物TiO2nH2Oを一般にこのようによぶ)のバリウム塩。チタン()酸バリウムともいう。二つの異性体が知られている。
(1)オルトチタン酸バリウム 化学式Ba2TiO4、式量386.62。炭酸バリウムと酸化チタン()をモル比2対1で混ぜ、約1270℃に加熱して得られる暗赤色粉末。正四面体形のチタン酸イオンとバリウムイオンからなるイオン結晶である。
(2)メタチタン酸バリウム 化学式BaTiO3、式量233.26。正式名称は三酸化バリウムチタン。混合比を変えた高温固相反応あるいはシュウ酸バリウムチタニル四水和物(シュウ酸バリウムオキシドチタン()四水和物)Ba(TiO)(C2O4)24H2Oの熱分解で得られる無色結晶で、普通、チタン酸バリウムといえばこれをさす。低温から高温にかけて下記のように相転移する。

 室温付近では正方晶系、120℃で立方晶系となり、それらは灰チタン石(ペロブスカイト)型構造をとるが、正方晶系相が強誘電体となる。各晶系ともTiO6正八面体の面共有構造をとり、チタン酸イオンは存在せず、複酸化物となる。誘電率が大きく圧電性があり、磁器コンデンサー、圧電素子などに用いられる。[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のチタン酸バリウムの言及

【セラミック半導体】より

…いずれも酸素分圧が変化するとδが変化し,ひいては導電率も変化する。微量成分を含むものの代表例にはチタン酸バリウムBaTiO3(微量の酸化ランタン(III)La2O3)がある。半導性を示すBaTiO3は,低温では低抵抗,BaTiO3の相転移温度以上では高抵抗であるので,抵抗加熱素子として,布団乾燥機,ヘアドライヤーなどに使われている。…

【チタン酸バリウム磁器】より

…チタン酸バリウムBaTiO3(メタチタン酸バリウム)を主成分とする磁器で,主としてコンデンサー材料あるいは圧電材料として用いられる。チタン酸バリウムはペロブスカイト(灰チタン石CaTiO3)型構造をとり,1460℃以上で六方晶,1460~120℃で立方晶,120~0℃で正方晶,0~-80℃で斜方晶,-80℃以下で菱面体晶となる。…

※「チタン酸バリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

チタン酸バリウムの関連キーワードエレクトロニクス史(年表)エレクトロセラミックスオルトチタン酸バリウムチタン酸バリウム磁器ファインセラミックスペロブスカイト型構造チタンコンデンサーペロブスカイト構造圧電性セラミックス二酸化炭素吸収材料セラミックセンサセラミック半導体電気機械結合係数グロースターター圧電セラミックス電子温風暖房機ペロブスカイト二酸化チタンチタン磁器音響測深機

今日のキーワード

隗より始めよ

《中国の戦国時代、郭隗(かくかい)が燕(えん)の昭王に賢者の求め方を問われて、賢者を招きたければ、まず凡庸な私を重く用いよ、そうすれば自分よりすぐれた人物が自然に集まってくる、と答えたという「戦国策」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android