デイ=ルイス(その他表記)Day-Lewis, Daniel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デイ=ルイス」の意味・わかりやすい解説

デイ=ルイス
Day-Lewis, Daniel

[生]1957.4.29. ロンドン
ダニエル・デイ=ルイスイギリス俳優。フルネーム Daniel Michael Blake Day-Lewis。イギリスを代表する詩人 C.デイ=ルイスと女優ジル・バルコンの第2子として生まれた。13歳のとき『日曜日は別れの時』Sunday Bloody Sunday(1971)で端役を演じ,その後ブリストル・オールド・ビック劇団やロイヤル・シェークスピア劇団(→ロイヤル・シェークスピア劇場)などで活動。『マイ・ビューティフル・ランドレット』My Beautiful Laundrette(1985),エドワード・モーガン・フォースター原作の『眺めのいい部屋』A Room with a View(1986)で多才ぶりを発揮した。『存在の耐えられない軽さ』The Unbearable Lightness of Being(1988)で国際的に高い評価を得て,『マイ・レフト・フット』My Left Foot(1989)では脳性麻痺の芸術家に扮し,1990年アカデミー賞主演男優賞をはじめ多くの賞を受賞した。その後『ラスト・オブ・モヒカン』The Last of the Mohicans(1992)やマーティンスコセッシ監督の『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』The Age of Innocence(1993),『父の祈りを』In the Name of the Father(1993)など,数々のヒット作で主役を務めた。『ボクサー』The Boxer(1997)出演後,一時俳優業を休み,イタリアで靴屋に弟子入りした。2002年,スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』Gangs of New Yorkで映画界に復帰。2008年,『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』There Will Be Blood(2007)で 2度目のアカデミー賞主演男優賞を手にした。さらにエブラハム・リンカーン大統領の伝記ドラマ『リンカーン』Lincoln(2012)で,史上初の,3度目のアカデミー賞主演男優賞に輝いた。

デイ=ルイス
Day-Lewis, C.

[生]1904.4.27. アイルランド,バリンタバー
[没]1972.5.22. イギリス,ハドリーウッド
C.デイ=ルイス。イギリスの詩人,批評家。フルネーム Cecil Day-Lewis。オックスフォード大学に学び,教職につく。初めいわゆるオーデン・グループ一員として,左翼的政治色の濃厚な詩を書いたが,のちには『イタリア訪問』An Italian Visit(1953)など,トマス・ハーディを思わせる個人的また牧歌的な詩風に変わった。『全詩集』Collected Poems(1954)のあとにも 2冊の詩集があり,ウェルギリウスアエネイス』の韻文訳(1952)もある。評論『詩への希望』A Hope for Poetry(1934),『詩を読む若き人々のために』Poetry for You(1944),ケンブリッジ大学での講義をまとめた『詩的イメージ』The Poetic Image(1947),『ハーディの抒情詩』The Lyric Poetry of Thomas Hardy(1951)などのほかに,自伝『埋れた日』The Buried Day(1960),Nicholas Blakeの筆名による推理小説がある。1951~56年オックスフォード大学詩学教授を務め,1968年には桂冠詩人に任じられた。

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改訂新版 世界大百科事典 「デイ=ルイス」の意味・わかりやすい解説

デイ・ルイス
Cecil Day Lewis
生没年:1904-72

イギリスの詩人。アイルランドに生まれ,オックスフォード大学に学んだ。1930年代にW.H.オーデン,S.スペンダー,L.マックニースらの友人とともに,マルクス主義の立場からイギリス社会の偽善を告発する詩を書いた。〈オーデン・グループ〉のなかでは,伝統的詩型と抒情性がきわだっていた。《磁石の山》(1933),《死への序曲,その他の詩》(1938)などの詩集のほか,評論《詩への希望》(1934)がこの時期の成果である。第2次大戦後の《イタリア訪問》(1953)は,政治的情熱から個人的暝想へと主題の移行を示している。オックスフォード大学詩学教授(1951-56)になり,1968年から死までは桂冠詩人であった。最後の詩集は《ささやく根,その他の詩》(1970),ほかに啓蒙的詩論《詩を読む若き人々のために》(1944)や《アエネーイス》の英訳などの仕事がある。ニコラス・ブレークNicholas Blakeの筆名で《野獣死すべし》(1938),《不思議の国のマリス(悪意)》(1940)など20余の推理小説を書いた。
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百科事典マイペディア 「デイ=ルイス」の意味・わかりやすい解説

デイ・ルイス

英国の詩人。オーデンらとともに1930年代の左翼詩人であったが,のち伝統的詩風に移った。《詩集》(1954年)のほか評論《詩への希望》(1934年),《あなたのための詩》(1944年)《詩のイメージ》(1947年)などがあるほか,Nicholas Blakeの筆名で《野獣死すべし》(1938年)等の推理小説も書いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デイ=ルイス」の意味・わかりやすい解説

デイ・ルイス
でいるいす

デー・ルイス

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