翻訳|anhydrite
無水硫酸カルシウムの鉱物。日本では黒鉱鉱床中に産するほか、ある種の安山岩、含銅硫化鉄鉱床、接触交代鉱床(スカルン型鉱床)中に産する。外国では岩塩鉱床に伴われて堆積(たいせき)岩を構成するほか、スモーカー(熱水からの沈殿物が堆積した煙突状の構造物)周辺の堆積物中に含まれることもある。塊状を呈することが多いが、再結晶して劈開(へきかい)片の大きく発達した結晶となりやすい。日本のおもな産地としては、秋田県大館(おおだて)市花岡鉱山(閉山)、同小坂町小坂鉱山(閉山)、茨城県日立市日立鉱山(閉山)などのほか、秋田県駒ヶ岳(こまがたけ)の安山岩中からも報告されている。自形は斜方板状であるが、日本ではまれ。石膏とよく共存する。英名はギリシア語の「無水物」に由来する。石膏という一般的に知られている物質を加熱すると水分が抜けて硬石膏と同じ物質になることが確かめられていたためである。
[加藤 昭 2016年8月19日]
硬石膏
英名 anhydrite
化学式 Ca[SO4]
少量成分 Sr
結晶系 斜方(直方)
硬度 3.5
比重 2.95
色 白,淡青紫,灰
光沢 ガラス
条痕 白
劈開 二方向に完全~ほぼ完全
一方向に良好
(「劈開」の項目を参照)
鉱物名で硫酸塩鉱物の一種.化学的には硫酸カルシウム無水物のことであり,無水セッコウ,焼殺セッコウ(dead burnt gypsum)ともいう.セッコウ(CaSO4・2H2O,gypsum)を130 ℃ に加熱して得られる0.5水和物(CaSO4・0.5H2O)を焼きセッコウ(plaster of Paris)といい,200 ℃ まで加熱して無水物としたもの(γ-CaSO4)が硬セッコウである.焼きセッコウは水で練ると発熱してもとのセッコウに戻り硬化するが,硬セッコウは水硬性がなく,水で練ってもセッコウに戻らない.セッコウは吸熱脱水と水蒸気の発生で火力を弱めるので,しっくいとして防火材に使えるが,硬セッコウは無水物であるのでこれには使えない.白墨(チョーク)に利用される.[CAS 7778-18-9:CaSO4][CAS 10101-41-4:CaSO4・2H2O][CAS 10034-76-1:CaSO4・0.5H2O]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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anhydrite
化学組成CaSO4の鉱物。直方晶系,空間群Bmmb,格子定数a0.694nm, b0.697, c0.620, 単位格子中4分子含む。晶癖は厚板状・粒状または雲母状・繊維状集合体,双晶面(011)。劈開{010}完全,硬度3.5, 比重2.98。真珠またはガラス光沢,無色・青・紫または不純物により白・赤・褐色。透過光で無色,多色性を示すものあり,屈折率α1.5698, β1.5754, γ1.6136, 2V(+)43゜。ごく少量のSr, Ba, Mg, Alを含有することがある。酸に可溶。加水変質して石膏となる。主に堆積岩中に産出する。ギリシア語のanydros(無水)から命名。
執筆者:吉井 守正
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
化学成分はCaSO4でセッコウの無水物に相当する鉱物。セッコウより硬いのでこの名前がついた。斜方晶系。板状や柱状の結晶として産出することもあるが,ふつうは塊状,粒状,繊維状などをなして産出する。無色,白色,灰色,淡青色など。光沢は面によって異なる。モース硬度3~3.5,比重3.0。水を吸うとセッコウになる。岩塩,カリ岩塩などを主とする蒸発岩の構成鉱物で,塩湖が干上がる時に最初に析出沈殿したもので,セッコウと共生することが多い。温度が42℃以上で蒸発した時や,そうでなくても高塩分の時に析出する。また熱水鉱脈中にも産する。セッコウの製造や彫刻用として用いる。
執筆者:加藤 敏郎
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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