ハレ(英語表記)Halle

デジタル大辞泉 「ハレ」の意味・読み・例文・類語

ハレ(Halle)

ドイツ中部、ザクセン‐アンハルト州の都市。正式名称ハレ‐アン‐デア‐ザーレ。ライプチヒ北西約30キロメートル、ザーレ川東岸に位置する。古くから岩塩採掘し、製塩業が行われる。化学金属などの工業発達中世にはハンザ同盟に加盟し、古い町並みが残る。作曲家ヘンデル生地

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハレ」の意味・わかりやすい解説

ハレ
Halle

正式名称はハレアンデアザーレ Halle an der Saale。ドイツ中北部,ザクセンアンハルト州の都市。 1952~90年ハレ県 (旧東ドイツ) の県都。ライプチヒ北西約 30kmのザーレ川右岸に位置する。 806年,要塞町として名が現れ,968年にマクデブルク大司教領となり,981年に都市権を獲得。 13~15世紀にはハンザ同盟の一員として繁栄した。 1522年プロテスタント都市となり,1648年以降はブランデンブルク領に属した。 19世紀前半に,岩塩,カリウム塩,褐炭の採掘と,それを原料とする化学工業,重工業が発達。現在は周辺の肥沃な農業地帯で栽培されるテンサイによる製糖のほか,機械,食品加工,醸造蒸留,ゴム,化学工業や採炭,カリウム塩採掘も行われる。 1694年創設のマルチン・ルター大学 (ハレ大学) のほか各種学校,博物館などがあり,教育・文化施設が充実。第2次世界大戦戦災をこうむらなかった数少い大都市の一つで,ゴシック様式のマルクト教会 (16世紀) ,聖モーリッツ教会 (1388~1557) ,大聖堂 (16世紀) ,市庁舎 (15~16世紀) など歴史的建築物も多い。作曲家ヘンデルの生地。人口 23万2323(2010)。

ハレ
Halle

フランス語ではアル Hal。ベルギー東部,ブラバント州の都市。ブリュッセルの南郊 15km,シャルルロア=ブリュッセル運河沿岸に位置する。首都周辺の都市化,工業化が活発な地帯に属し,機械,製紙などの工場が立地。 14世紀建設のノートル・ダム大聖堂があり,有名な巡礼地でもある。人口3万 2124 (1980) 。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「ハレ」の解説

ハレ

晴とも。ハレは,晴れあるいは公の意味を表現する。ケに対比される語であり,ハレとケに対しては,聖と俗,公と私の対語をあてはめて説明する立場がある。祭や年中行事,冠婚葬祭のような特別な行為をともない,ふだんの生活とは異なる状態をさす。まず晴れ着つまり「よそゆき」の着物を着る,餅や赤飯など特別の食物を食べる,注連縄(しめなわ)をはったり,特別に装置した場所が選ばれるなど,衣食住の生活に「ふだん」との変化がみられる。ケの状態が永続せず衰えてケガレの状況になると,人間は「ふだん」のケを維持するような試みを企てる。行事の基底には並々ならぬエネルギーが働く。それがハレの文化の基本をなす。

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百科事典マイペディア 「ハレ」の意味・わかりやすい解説

ハレ

ドイツ中部,ザクセン・アンハルト州のザーレ川に臨む商工業都市。鉄道車両,機械,製糖などの工業が行われる。ゴシック様式の教会や古城,大学(1694年創立)などがある。付近に産する岩塩の取引中心として栄え,1280年にハンザ同盟市となった。作曲家ヘンデルの生地として知られる。23万3700人(2011)。

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世界大百科事典 第2版 「ハレ」の意味・わかりやすい解説

ハレ【Halle】

ベルギー中部,ブラバント州の都市。人口2万(1978)。ブリュッセルの南西約15kmに位置。ブリュッセル・シャルルロア運河に臨み,ブリュッセルを中心とする工業地帯の南端をなす。織物製造,食品工業などが行われる。フラマン語地帯にあるが,言語境界線に近く,フランス語名アルHalで呼ばれることも多い。古い歴史をもつが,フランス革命期に至るまで,多くの戦乱で被害を受けた。市心にある聖母教会(14世紀,ブラバント・ゴシック様式)への巡礼で知られる。

ハレ【Halle】

ドイツ中部,ザクセン・アンハルト州の都市。人口29万(1995)。化学工業を基幹に旧東ドイツ内有数の工業都市で,機械・プラント製造が盛んなほか,1694年創立の大学,ヘンデルの生地として毎年のヘンデル音楽祭など文化の中心でもある。塩の精製,交易地として古くから栄え,13世紀末には市の権利を得てハンザ同盟に加わった。19世紀末以降労働運動の中心の一つとなった。15~16世紀の建造になる赤い塔,後期ゴシック建築のハレ教会などがある。

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