バタイユ(英語表記)Bataille, Georges

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バタイユ
Bataille, Georges

[生]1897.9.10. ピュイドドーム,ビヨン
[没]1962.7.9. パリ
フランスの思想家小説家。古文書学校卒業後,国立図書館司書となる。 1946年総合書評誌『クリチック』 Critiqueを創刊し,死ぬまでその編集にあたった。シュルレアリスム,特にそのエロティシズム,魔術,形而上学の面での影響を受け,無神論的神秘主義を展開した。主著,『内的体験』L'Expérience intérieure (43) をはじめとする評論3部作『無神学大全』 Somme athéologique,『呪われた部分』 La Part maudite (48) ,『エロティシズム』L'Érotisme (57) ,『文学と悪』 La Littérature et le Mal (57) ,『エロスの涙』 Les Larmes d'Éros (61) ,小説『C神父』L'Abbé C (50) ,『空の青』 Le Bleu du ciel (57) 。

バタイユ
Bataille, (Félix) Henry

[生]1872.4.4. ニーム
[没]1922.3.2. マルメゾン
フランスの劇作家,詩人。恋愛心理を扱った戯曲『ママン・コリブリ』 Maman Colibri (1904) ,『結婚行進曲』 La Marche nuptiale (05) ,『裸婦』 La Femme nue (08) のほか,詩集『白い部屋』 La Chambre blanche (1895) など。

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百科事典マイペディアの解説

バタイユ

フランスの思想家,小説家。農民の子に生まれ,聖職者を志すがのち徹底した無神論に転ずる。古文書学校を卒業,終生図書館に勤務。ニーチェを耽読し,シュルレアリスムに接近,ポルノグラフィー《眼球譚》(1928年)などを書くが,離反して1929年《ドキュマン》誌をレリスらと刊行。廃刊後,反スターリン・グループの《社会学批評》にモースの贈与論に示唆された〈消費の概念〉などを書く。1935年《反撃》誌を創刊して反ファシズム活動を展開するが,1936年カイヨアクロソウスキーらと〈社会学研究会〉を結成,秘密結社〈アセフィル〉と連動しつつ〈聖なるもの〉を実践的に探究,小説《マダム・エドワルダ》(1937年)などを書く。第2次大戦下に《無神学大全》(《有罪者》《内的体験》《ニーチェについて》の三部作)を執筆,ヘーゲルを代表とする西洋理性の哲学を非=知,好運への意志,笑いといった観点から批判し,またブランショと深く交友する。戦後は1946年書評誌《クリティック》を創刊,文学批評を書くほか,〈過剰な太陽エネルギーの贈与〉を消費することを重視する普遍経済学を展開した《呪われた部分》(1949年),死とエロティシズムが生の限界体験であるとした《エロティシズム》(1957年)を著し,また小説《C神父》(1950年),《空の青》(1957年),絵画論,ラスコー壁画論を書く。後の思想家にも多大な影響を与え,〈今世紀最大の著作家〉(フーコー)と讃される。
→関連項目岡本太郎サドシェストフベンヤミンポトラッチボードリヤールマッソン

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

バタイユ Bataille, Nicolas

1926-2008 フランスの演出家。
1926年5月14日生まれ。1950年イヨネスコの「禿(はげ)の女歌手」の初演を演出,出演。昭和42年(1967)パリのユシェット座をひきいて初来日し,「禿の女歌手」「授業」を上演。以後再三来日し,日本の俳優をつかった「15の未来派の作品」(紀伊国屋演劇賞)などを演出。1971年寺山修司の「花札伝綺」をパリで上演した。2008年10月28日死去。82歳。パリ出身。

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世界大百科事典 第2版の解説

バタイユ【Georges Bataille】

1897‐1962
フランスの思想家,小説家,詩人。中部フランスのビヨンに生まれる。最初聖職を志したが,思春期を境に徹底した無神論者に転向。古文書学校を卒業後,パリ,ビブリオテーク・ナシヨナル(国立図書館)に勤務,晩年はオルレアン図書館長。一時シュルレアリスムにひかれたが,やがてその指導者A.ブルトンとはげしく衝突,1929年離反派を糾合して,《ドキュマン》誌を拠点に,独自の思想運動を推進した。37年にはM.レリス,P.クロソウスキー,R.カイヨアらと〈コレージュ・ド・ソシオロジー(社会学研究会)〉を組織。

バタイユ【Nicolas Bataille】

14世紀フランスのタピスリー織師。生没年不詳。1373‐1400年ころパリで工房を主宰し,国王の宮廷のために多くのタピスリー(現存せず)を織り上げたことが知られている。代表作は王弟アンジュー公ルイのために1373年ころから制作した《アンジェの黙示録》(アンジェ城付属美術館)で,下絵にない植物や文様を織地に加えるなど独自の工夫を凝らし,織りの技術も精巧をきわめている。様式的な類似から《9人の勇士》(ニューヨーク,クロイスターズ)も彼の工房の制作とみなされている。

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大辞林 第三版の解説

バタイユ【Georges Bataille】

1897~1962) フランスの思想家・作家。蕩尽や非生産的行為の中に聖性と至高性を見る思想を提唱。著「呪われた部分」「至高性」など。

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世界大百科事典内のバタイユの言及

【エロティシズム】より

…愛が性の感情的側面であるとすれば,エロティシズムは性の感覚的側面といえるかもしれない。G.バタイユによれば,〈エロティシズムと単なる性的活動とを区別するところのものは,生殖や子供への配慮につながる自然の目的とは独立した,一つの心理学的な探求〉である。人間はそれぞれ,個体として相互に非連続の存在であるが,ただ死においてのみ,いっさいの個別性が消滅し,大きな連続性のなかに解き放たれる。…

【タピスリー】より

…アンジェ城付属美術館)で,これはまた現存するもっとも大規模な作品でもある。シャルル5世の宮廷画家ボンドルJ.Bondolのカルトンをもとに,パリの織師ニコラ・バタイユが王弟アンジュー公ルイの注文により制作したもので,7枚の横長の図柄(1枚は約5m×約20m)を100近い区割りにし,《ヨハネの黙示録》を表す(現存するのは約70場面)。赤地のものと青地のものを交互に配し,ハッチングの技法を縦横に用いて,国際ゴシック様式の時代の絵画をみごとに織物に移し変えている。…

※「バタイユ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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